第14回 接線の方程式 [微分積分]
第14回 接線の方程式
曲線y=f(x)上に、相異なる2点、点P(a,f(a))と点Q(a+h,f(a+h))があるとする。
h≠0を限りなく小さくし、点Qを点Pに限りなく近づけた時、その近づき方にかかわらず、点Pと点Qを結ぶ直線(割線)がある1つの直線に限りなく近づくことがある。つまり、点Qを点Pに限りなく近づけたとき、その極限として1つの直線が得られることがある。この極限として得られる直線を、曲線y=f(x)の点(a,f(a))における接線という。
点Pと点Qを通る直線(割線)の傾きは
だから、接線の傾きは、h→0としたときの極限
で与えられる。
したがって、曲線y=f(x)の点(a,f(a))における接線の方程式は
また、これから、曲線y=f(x)の点(a,f(a))における法線の方程式は、f'(a)≠0のとき、
で与えられる。
問1 次の曲線のそれぞれの点における接線と法線の方程式を求めよ。
【解】
(1) f'(x)=2x+3だから
接線の方程式は
法線の方程式は
(2) だからf'(0)=1。
よって、(0,1)における接線の方程式は
法線の方程式は
(3) だからf'(−1)=−3
よって、接線の方程式は
法線の方程式は
(解答終)
問2 次の曲線の(x₀,y₀)における接線の方程式を求めよ。
【解】
(1) 両辺をxで微分すると、
したがって、点(x₀,y₀)における傾きは
よって、接線の方程式は
(2) 両辺をxで微分すると、
したがって、点(x₀,y₀)における接線の方程式は
(3) 両辺をxで微分すると、
よって、接線の方程式は
(4) 両辺をxで微分すると、
よって、接線の方程式は
(解答終)
(註) 合成関数の微分法より
問3 次の各曲線上の、与えられた値に対応する点における接線の方程式を求めよ。
【解】
(1) 媒介変数(パラメータ)の微分公式より
よって、
また、t=1のとき、x=2、y=−2だから、
(2)
t=1のとき、x=2、y=15だから、接線の方程式は
(3)
θ=π/4のとき、x=3/√2、y=4/√2だから
(解答終)
問4 原点から次の曲線に引いた接線を求めよ。
【解】
(1) 接点の座標をとすると、接線の方程式は
これが原点(0,0)を通るので、
したがって、
(2) 接点の座標をとすると、
原点を通るので、
したがって、接線の方程式は
(3) 接点の座標をとすると、
だから、接線の方程式は
これが原点を通るので
よって、接線の方程式は
(解答終)
問5 次のことを示せ。
(1) 曲線x²−y²=9とxy=4の交点におけるそれぞれの接線は互いに直交する。
(2) 放物線y²=4px上の原点以外の点P(x₁,y₁)における法線がx軸を交わる点をN、Pからx軸へ下ろした垂線の足をHとするとき、HNの長さはPの長さに関係なく一定であることを示せ。
(3) 曲線√x+√y=√a (a>0)上の任意の点(x₁,y₁)における接線がx軸、y軸と交わる交点をP、Qとすれば、OP+OQは一定であることを示せ。
【解】
(1)
①と②をxで微分すると、
交点の座標をP(x₀,y₀)とすると、点Pにおける①と②の接線の傾きm₁,m₂は
よって、Pにおける①と②の接線は互いに直交する。
(2) y²=4pxの両辺をxで微分すると、
したがって、点P(x₁,y₁)における法線の方程式は
y=0とおくと、y₁≠0だから、
よって、N(x₁+2p,0)。
また、H(x₁,0)だから
(3) √x+√y=√aの両辺をxで微分すると、
したがって、点P(x₁,y₁)における接線は
y=0とおくと、
よって、
x=0とおくと
よって、
したがって、
(解答終)
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