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第6回 関数の連続 [微分積分]

第6回 関数の連続

 

aの近傍で定義されている関数f(x)

  

であるとき、関数f(x)は点a連続であるという。

すなわち、

f(x)が点aで連続であるとは、

任意の正数εに対して、ある正数δが存在して、

  bs6-001.png

であることである。

論理記号を用いて、より厳密に書くと、

  bs6-002.png

したがって、f(x)が点aで連続でない、すなわち、不連続であるとは、(3)を否定すればよく、

  bs6-003.png

すなわち、

ある正数εが存在して、任意の正数δに対して、

  

を満たすxが存在することである。

 

問1 x=0で次の関数f(x)は連続か。

  bs6-004.png

【解】

任意のε>0に対して、δ=εとすると、

ならば

  bs6-005.png

よって、f(x)x=0で連続である。

(解答終)

 

【別解】

  bs6-006.png

よって、(ハサミ打ちの定理より)のとき、

  

したがって、f(x)x=0で連続である。

(別解終)

 

問2 x=0で次の関数f(x)は連続か。

 bs6-007.png

【解】

  bs6-008.png

とすると、

  bs6-010.png

δ>0をどんなに小さくしても、

  bs-009.png

となるに存在し、このとき

  

よって、f(x)x=0で連続でない。

(解答終)

 

問題

 bs6-030.png

(1) x=1/2f(x)が連続であることを示せ。

(2) x=1/2以外の点xで、f(x)は連続か?

 

 

また、

  

であるとき、f(x)は点a右連続であるという。

これをε−δ論法で表すと、

任意の正数εに対して、ある正数δが存在して

  

が成り立つことである。

さらに、

  

であるとき、f(x)は点a左連続という。

これをε−δ論法で表すと、

任意の正数εに対して、ある正数δが存在して

  

が成り立つことである。

 

 

定理1 (連続であるための必要十分条件)

関数f(x)が点aで連続である必要十分条件は、f(x)が点aで右連続かつ左連続であることである。

すなわち、

  

【証明】

f(x)が点aで連続であるとすると、任意の正数εに対して、ある正数δが存在して、

  bs6-011.png

よって、

  bs6-012.png

したがって、f(x)が点aで連続ならば、f(x)は点aで右連続かつ左連続である。

逆に、f(x)が点aで右連続、かつ、左連続であるとすると、

任意のε>0に対して、あるδ₁>0δ₂>0があって、

  bs-013.png

したがって、

  

にとると、

  

また、x=aのとき、任意の正数εに対して

  

が成り立つので、

  

(証明終)

 

 

定理2

関数f(x)g(x)が点aで連続、αβを実数とすると、

 bs6-014.png

も点aで連続である。

【証明】

基本的に関数の極限の公式の証明と同じなので、αf(x)+βg(x)が点aで連続であることだけを示す。

α=0β=0のときは明らかなので、αβがともに0でないとする。

任意の正数εに対し、

  

とおくと、ε'>0である。

f(x)g(x)は点aで連続なので、任意の正数ε'に対して、あるδ₁>0δ₂>0があって、

  bs6-015.png

したがって、

  

とおくと、

任意のε>0に対して、δ>0があって、ならば、

  

よって、αf(x)+βg(x)は連続である。

(証明終)

 

 

定理3

関数f(x)が点aで連続でf(a)≠0ならば、点aの近傍でf(x)f(a)は同符号である。

【証明】

(ⅰ) f(a)>0の場合

f(x)は点aで連続なので、

任意のε>0に対して、あるδ>0が存在して、

  bs6-017.png

ε>0は任意なので、とし、これに応じてδ>0を定めると、であるすべてのxについて

  bs6-018.png

(ⅱ) f(a)<0の場合

をとし、δ>0を定めると、であるすべてのxについて

  bs6-019.png

よって、証明された。

(証明終)

 

f(a)<0の場合は、(ⅰ)の結果を使い、次のように証明してもよいでしょう。

 

(ⅱ’) f(a)<0の場合

f(x)は点aで連続なのでg(x)=−f(x)も点aで連続で、g(a)=−f(a)>0

よって、(ⅰ)より、g(x)は点aの近傍でg(x)>0

したがって、f(x)は点aの近傍でf(x)=−g(x)<0である。

 

定理3は、色々な局面で使用する重要な定理なので、覚えておいたほうがよい。

 

 

問題の解答例

 

問題

 

(1) x=1/2f(x)が連続であることを示せ。

(2) x=1/2以外の点xで、f(x)は連続か?

【解】

(1) xが無理数のとき

  

xが有理数のとき

  

したがって、xが無理数、有理数であっても

  

よって、任意のε>0に対して、δ=ε>0をとれば、

  

が成立するので、f(x)は点x=1/2で連続である。

 

(2) 点x=1/2以外の点xf(x)は連続でない、つまり、不連続である。

(解答終)

 

【(1)の別解】

  

という関数を導入すると、

  

さらに、

  

よって、ハサミ打ちの定理より

  

したがって、f(x)は点x=1/2で連続。

(別解終)

 


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