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ピストン・クランク機構 ちょっと(工業)力学 [ねこ騙し物理]

ピストンとクランク機構

 

piston-crank-fig-002.png問題 図はピストンとクランクの装置を示したもので、OP=50cm、PQ=200cmとし、OPは毎秒2回転するものとする。∠POQが増加してちょうど30°になった瞬間におけるQの速度を求めよ。

【解答】

POQθOQxcmとすると、余弦定理から

  

この両辺を時刻tで微分すると、

  pc-001.png

OPは毎秒2回転、すなわち、4πrad)回転するので、

  

これを②式に代入すると、

  

θ=30°=π/6(rad)のとき、xは①より、

  

これを解くと、

  

x>0だから、

  

③式に、x=25(√3+3√7)、θ=π/6を代入すると、

  

(解答終)

 

大学の数学の入試問題にこんな問題が出るとは思えないが、計算力のないネムネコが試験会場でこの問題を解こうとしたら、③以降のどこかで絶対、計算間違いをする自信がある。

 

なのですが、ピストン・クランク機構は、実用的に重要なので、(工業)力学などで理論化されている。

 

原点Oを中心とし半径rの円周上を、点Pが反時計回りに角速度ωで回転しているとする。そして、点Pと点Qの距離はLで、点Qx軸上を移動し、時刻tにおいて∠QOP=θ、∠PQO=Φとする。

また、OQ=xとすると、幾何学的な関係から

  

となる。

PH

  

となるので、

  pc-006.png

これを(1)に代入すると、

  

ここで、物理らしく

  pc-003.png

と近似すると、(2)式は

  

ここで、三角関数の倍角公式

  

を用いると、

  

となる。

ここで、さらにθ=ωtとすると、

  

が得られる。

これをtで微分すると、

  

さらに、tで微分すると、

  

という公式(?)が得られる。

ここで、vは点Qの速度、αは点Qの加速度である。

 

ただし、(4)、(5)は、厳密なものではなく、近似式であることに注意。

 

この(4)式を使って、問題の速度を求めてみよう。

OPは毎秒4回転するので、角速度ω=4(m/秒)である。また、θ=ωt=π/6rad)であり、r=50cmL=2000cmなので、

  

対して、問題の答は

  

となり、大体、0.1%位の誤差で計算できており、十分に実用に足りることがわかる。

 


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