SSブログ

ハミルトン・ヤコビの方程式 [ねこ騙し物理]

ハミルトン・ヤコビの方程式

 

始点は同じだが終点が異なる2つの経路1、2があるとする。

経路1によって求められる作用をS₁、経路2によって求められる作用をS₂とする。

このとき作用の差は

  

ラグランジュの方程式

  

から、最終行の第1項の積分は0である。

またより、

  

一般化運動量

  

を用いると、

  

 

今度は、始点と終点を固定し、終点に到達時刻が異なるものとする。

作用S

  

だから、時刻tで微分すると、

  

また、先の議論で作用Sは一般化座標qの関数でもあったので、

  

を上の式に代入すると、

  

ここで、Hはハミルトニアン、

  

ですが、

  

を用いてハミルトニアンを書き換えると、

  

になるので、

  

これをハミルトン・ヤコビの方程式という。

 

 

 

話を簡単にするために、自由度1の場合について考えるケロ。

このとき、ハミルトン・ヤコビの方程式は、

  

になるにゃ。

で、量子力学の時間を含むシュレディンガーの方程式は、

  

ここで、iは虚数単位はプランク定数hで割ったもの、つまり、

  

すこし形が違うけれど、ハミルトン・ヤコビの方程式とシュレディンガーの方程式は似た形をしているのがわかるだろう。

シュレディンガーは、どうも、このハミルトン・ヤコビの方程式を参考に、有名なシュレディンガーの波動方程式を使ったらしいんだよね。

 

(デカルト直交座標以外の座標系における)運動方程式を導いて微分方程式を解くという実用的な観点からすると、ラグランジュの方程式で十分。ハミルトンの正準方程式、まして、ハミルトン・ヤコビの方程式から運動方程式を導き、その微分方程式を解くなんてことは、まず、することはない。だって、得られるのはニュートンの運動方程式(と同等なもの)なんだから、ラグランジュの方程式だけを知っていれば十分。

 

じゃぁ、何で、大学の理工系の学部で解析力学なんて小難しいものを教えるかといえば、そりゃ〜、量子力学と統計力学を学ぶためだにゃ。解析力学で使う手法、用語が量子力学や統計力学で出てくるので、解析力学は避けて通れない関門、難関なんだにゃ。そして、多くの学生が解析力学で討ち死にするのであった(笑)。

 

統計力学で必要となるリュービルの定理は紹介していないけれど、ちょっと進んだ微分積分、解析の応用として、解析力学を取り上げてみたにゃ。

 

 


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。