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何やら面白い読み物が・・・ [ひとこと言わねば]

ddt³さんとブラゲロが物理学の運動について質疑応答を重ねているようだ。ネムネコは物理屋さんじゃないから、この問題に深入りすることはできないのだけれど、これに関連してネットでちょっと面白い読み物を見つけた。

ゼロからはじめる「科学力」養成講座 第3章 ニュートンの法則
https://ocw.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/ScienceLiteracy1-2009-Text-03.pdf

ここに、次のような図が出ている。


ネムネコもこれと同じような図を書いて人工衛星の運動を説明しようと考えたのだけれど、ネムネコの持っているお絵かきソフトではこのような図をうまくかけないし、ネムネコは絵をかくのは下手なので、手書きすることもできないので断念した図。
そして、この図に示されるように、
巨人さんが人工衛星を秒速約8km(より正確には7.9km/sでこの速度を第1宇宙速度という)で水平方向に投げると、人工衛星の軌道は重力で曲げられ(落下して)、このとき、うまい具合に人工衛星は円軌道をえがいて地球のまわりをまわってくれるんだにゃ。

地上近くでは、そっと落とされた物体は、一秒間に 5m 落下します。この間に地球の曲がりで地上も 5m ほど下にいっていれば地上に落ちないようになるのです。半径6400kmの地球では、およそ 8km 進むと 5m 地上が下に沈みます。このため、円運動する速さはおよそ秒速8kmとなります。
引用元:https://ocw.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/ScienceLiteracy1-2009-Text-03.pdf

上の解法の面白いところは、水平にぶん投げたものの落ち具合、曲がり具合と地球の曲がり具合――数学の用語でいえば曲率――だけから、この値が求められるというところ。すなわち、力、万有引力は表に出てこないってところだにゃ。

なお、この数値は、遠心力=万有引力(=mg)として、次のように求めることもできる。

  


ここで、gは地球表面での重力加速度9.8(m/s²)、Rは地球の半径で約6,400km。


ところで、ネムネコはずっと前に、
「力学の基本的な量は、運動量mvか活力mv²(運動エネルギーmv²/2の2倍)のどちらか」という大論争がデカルト派とライプニッツ派の間で繰り広げられた、
ということを記事に書いたことがある。


このことを思い出して、ネットで検索をかけたみたところ、次のような記事を見つけた。

 科学史の小窓
 活力論争
  https://goo.gl/3V1CSC

このウェブサイトの主さんのアカデミックな論文。


「活力論争とは何だったのか」という論文を読むと、ニュートンの主著でニュートンの3つの運動法則が書かれている(らしい)「プリンキピア」が出版されてからも、どうやら、力をどのように定義したらよいのか、長い間、定まっていなかったらしいね。
何を力と呼ぶか定まっておらず、混沌(カオス)状態だったらしい。


(ニュートンが定義した)「力」は、力学的な保存量じゃないし、運動しているものの速さや運動の方向、軌道を変化させるもの、その原因として想定――ブラゲロの好きな言葉を使うと、「仮設」――されるものであって、運動の中に「力」そのものを、直接、目で見ることはできないケロ。「力」は実体的な概念になじまない。
そして、「力」は、押した、押されたという経験に基づく、触覚、皮膚感覚的なものだから、視覚に比べるとインパクトが弱くて、実在、しにくいにゃ。
 ――触覚の方が視覚よりもずっと原始的、原初的な感覚ではあるが・・・――
ニュートン力学の最終形態といえる解析力学では、運動量mvと、エネルギーをより一般化したものと考えられる、ラグランジアンLやハミルトニアンHなどが主役になり、「力」f(orce)は表舞台から消えて、ふたたび、日陰者になってしまうしね〜(^^ゞ。 素粒子論などでは、さらに、「力」は日陰者扱いされているようだ(笑)。

それはさておき、ずっと前に書いたネムネコ、物理する!! 作用反作用の法則と運動量保存の法則なる記事では、この問題を解決したのは数学者のダランベールと書いたのだけれど、上の論文を読むと、この問題を解決したのはダランベールではないようだね。どうやら通説に騙されたみたいだケロね。

また、ダランベールさんは、ニュートンの運動方程式
 f=ma

 f − ma = f + (−ma)=0
と書き換えたことでも有名(ダランベールの原理)。ダランベールさんが−maを慣性力と名づけたのかどうかは知らないけれど、この−maを慣性力と呼ぶようになった。
そして、慣性力という概念を使うと、車が急停止したとき、乗っているヒトの体が前に押しやられる(ように感じる)のは慣性力−ma――加速度の方向はこのとき後ろ向きで、慣性力は−maとなるので加速度の方向とは逆向きの前向きの力になる――のためということになる。のみならず、遠心力もこの慣性力ということになる。つまり、加速度運動をする(座標)系の場合、見かけ上の力である慣性力を加えることによって、あたかも、慣性系のように・・・。のみならず、静力学のように扱うことができる。
といったことを、大学時代に力学(物理)の講義で習ったような気がする。この解釈、理解は、ネムネコの記憶違いで、間違っているかもしれないが・・・。

右辺の項を左辺に移行しただけに見える、ニュートンの運動方程式のこの書き換えが、コロンブスの卵、つまり、大きなパラダイムチェンジであり、この書き換えがその後の力学理論にどのような影響を与え、力学理論の発展に寄与したかについては、ddt³さんがきっと詳しく解説してくれると思うにゃ。ddt³さんは、さらに、仮想仕事の原理などについて話してくれると思うにゃ。そして、仮想仕事の原理から、ラグランジュの運動方程式を導いてくれるだけではなく、仮想仕事の原理と変分法との関係について解説してくれるに違いない(^^ゞ

  


みんな、期待するといいと思うにゃ(^^)


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ddtddtddt

 ddt^3です。

 ・・・いつもながら、ハードル上げ過ぎですって(^^;)。


 では腹いせに、答えにくいと思われる質問を一つ(^^)。

 微分方程式なんか、求積法でひょいひょい解いてますけど、求積法で解けない場合は、これまたひょいひょい数値計算に持ち込みますよね?。

 微分方程式を差分法で解くとすると(ローカルには選点法とも言いますが)、問題の関数f(x)の定義域Xをn等分割でもして、分割点(選点)だけでは微分方程式を満たすような条件を付ける。分割を無限に細かくすれば、「いつかはX上の全ての点を取り尽くせるはず」だから、そうのようにして解いたf(x)の離散化近似g(x)の離散化極限は(分割を無限に細かくする)、f(x)に収束する。

 本当ですか?(^^)。

 上記状況を一般化・理想化すると、定義域X上の連続関数f(x)の離散化近似として、Xの等分割点xjでg(xj)=f(xj)となるようにg(x)を定める。分割を無限に細かくした時、gはfに収束する。

反論:
 定義域Xの等分割点の離散化極限とは、X上の有理数をシミュレートしたのと同等である。よってg(x)は、Xの部分集合である、Xに属する有理数全体の集合Aの要素xでしかg(x)=f(x)とならないはずである。
 しかし良く知られているように、対角線論法により、Aに属さないXの要素はAの要素よりも無限に多い。Aがカスになるくらいに無限に多い!。
 そうするとg(x)の離散化極限は、Xのほとんど全ての点で、いたるところg(x)≠f(x)となってはいないのか?。「いつまでたってもX上の全ての点を取り尽くせない!」から。

 これで君は、連続関数を近似できると思うのか?。出来ると言うなら、理由を言うてみいっ!。

 ※ 意地悪質問です(^^;)。

by ddtddtddt (2018-07-18 18:18) 

nemurineko

こんばんは。

ハードルが高い要求かな(^^ゞ
私は読んだことがありませんが、
ddt³さんの愛読書であろうランダウ・リフシッツの高等物理学教程の『力学』にこのあたりの話がしっかりと書かれているように聞いておりように聞いております(^^)

私の持っているのは、ランダウ・リフシッツの「力学」のような高級な本ではないので、このあたりの話はかなりいい加減で、ちょっと使い物にならない。

私が持っているものには、
(1) 仮想仕事の原理からラグランジュの方程式を導く
(2) 変分原理(最小作用の原理)からこれを導く
のどちらか一方なんで、この2つの関係性、つながりががよくわからないですよ。


by nemurineko (2018-07-19 22:26) 

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