無限級数の収束・発散 [数列と級数]
無限級数の収束・発散
高校のとき、
という無限級数が発散することを示す次のような証明を見て、深く感動した。
【無限級数(1)が発散することの証明】
ゆえに、(1)は発散する。
(証明終)
感動するのと同時に、「こんなうまい証明法は絶対に思いつかない」と、自分の才能のなさを痛いほど思い知らされた。
【別証】
0<k<x<k+1とすると、
k=1,2,・・・,nとし、(2)を足し合わせると、
n→のときlog(n+1)→∞だから、
よって、(1)は発散する。
(別証終)
(3)式の左辺と中辺のnをn−1に変え、さらに両辺に1を加えると、
したがって、
ここで、
とおくと
となり、は下に有界な単調減少数列だから、(4)は0以上1未満のある数に収束する。この極限値をCとすると、
そして、この数CをEulerの定数という。
問1 次の級数が収束することを示せ。
別証のように、積分を使ったダサい証明法は嫌だというヒトは、
という不等式を利用すると、
この両辺に1を加えると・・・。
もう、答を書いたようなものだが。
証明できなかったヒトは、数学的帰納法を使って
を証明する。
過去に何度も大学入試に出題された問題だケロ。
なお、次の関係が成立することは言うまでもないだろう。
ところで、無限級数(6)はいったいどんな数に収束するのだろうか。
1より大きく2以下であることは確かであるけれど謎である(^^)。
問2 次の級数は、a≦1のときは発散し、a>1のとき収束することを示せ。
問3 次の級数の収束・発散を判定せよ。
【解】
(1)
よって、発散する。
(2)
よって、発散する。
(解答終)
別証のように積分を使って解くこともできるだろうが・・・。
オマケ
であることは次のように示すことができるだろう。
【証明】
n<x<n+1とすると、平均値の定理より
となるcが存在しする。
よって、
(証明終)
あるいは、積分を使って、次のように証明することもできる。
【別証】
n<x<n+1とすると、
{証明終)
積分を使ったほうが、こころもち、証明は楽かもしれない。
積分を使った不等式の証明は、なかなか思いつかないものであるが・・・。
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