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無限級数 [微分積分]

無限級数

 

 

数列が与えられたとき、

  

とおく。

数列が収束するとき、級数mk-001.png収束するという。

また、を級数mk-001.pngの和といい、と表す。

すなわち、

任意の正数ε>0に対し、ある自然数Nが存在し、

  sk-003.png

また、収束しないmk-001.png発散級数という。

 

 

sk-016.pngが収束するとき、mk-001.png絶対収束するという。はmk-001.png収束するが絶対収束しないとき、mk-001.png条件収束するという。

 

 

特に、が等比数列

  

であるとき、部分和

  sk-004.png

になるので、|r<1のとき

  

は収束し、それ以外では発散する。

 

無限級数の定義とコーシーの収束条件から、ただちに、次のことが言える。

 

 

定理1 (無限級数の収束に関する必要十分な条件)

級数mk-001.pngが収束するための必要条件は、任意のε>0に対し、次の自然数Nが存在することである。

  

 

 

定理2

mk-001.pngが収束するならば、である。

【証明】

mk-001.pngが収束するので、定理1より、任意のε>0に対して、ある自然数Nが存在し、

  

m=n+1とおくと、任意のε>0に対し、

  

よって、

(証明終)

 

【別証】

  

とおくと、

仮定より、は収束するので、とおくと、

  

(別証終)

 

 

定理2の系

ならばmk-001.pngは発散する

 

 

定理2の逆、つまり、「ならばは収束する」は一般に成り立たない。

たとえば、であるがは収束しない。

 

 

問1 sk-007.pngが収束しないことを示せ。

【解】

ε=1/2>0とすると、どのような自然数Nに対しても、m=2n>n≧Nにとると、

  sk-008.png

よって、は収束しない。

(解答終)

 

 

定理3

λμを実数とする。

sk-009.pngがともに収束するならば、も収束し、

  sk-015.png

【証明】

λ=μ=0のときは、明らか。

同時にλ=0μ=0でないものとする。

は収束するので、任意のε>0に対して、ある自然数Nが存在して

  sk-010.png

よって、三角不等式から、

  

(証明終)

 

 

問2 次の無限級数の和を求めよ。

sk-012.png

【解】

(1)

  

a<1だから、

よって、

  

したがって、は収束し、

  

 

(2) とおくと、

  

よって、

  

したがって、

  

よって、

  

 

(3)

  

したがって、

  

(解答終)

 

 

定理4

mk-001.pngが絶対収束すれば、mk-001.pngは収束する。

【証明】

mk-001.pngが絶対収束する、すなわち、sk-016.pngが収束するので、定理1より、任意の正数ε>0に対して、ある自然数Nが存在し、

  

よって、mk-001.pngが絶対収束すれば、sk-016.pngは収束する。

(解答終)

 

問3 mk-001.pngは収束するが、絶対収束しない(無限)級数の例を1つあげよ。

 


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