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第43回 広義積分 その2 [微分積分]

第43回 広義積分 その2

 

 

問1 αを実数とするとするとき、次のことを示せ。

(1) 広義積分が収束するための必要十分条件はα<1である。

(2) 広義積分kou2-023.pngが収束するための必要十分条件はα>1である。

【解】

α=1のとき、

  kou2-001.png

したがって、広義積分は発散する。

α≠1のとき、

  

したがって、が収束するのは、α<1のときである。

また、

  

ゆえに、kou2-023.pngが収束するのはα>1である。

(解答終)

 

次に、広義積分の収束・発散の判定で便利な次の定理だけを紹介する。

 

定理

abは実数とする。

f(x)g(x)は区間I=(a,b](あるいは、[a,b)(a,b))で連続とする。

(1) が収束するならば、は収束する。

(2) 任意のx∈Iに対して、|f(x)|≦g(x)、かつ、が収束するならば、は収束する。

(3) 任意のx∈Iに対してf(x)≧g(x)、かつ、が発散すれば、も発散する。

 

上記の定理は、区間が(−∞,b][a,∞)、(−∞,∞)である場合にも成立する。

 

 

問2 次の広義積分の収束、発散を判定せよ。

【解】

(1) (0,1]

  

だから、も発散する。

 

(2) だから

  kou2-005.png

と拡張すると、f(x)[0,1]で連続となり、積分可能。

あるいは、0<x≦1のとき

  

であり、

  

だから、

広義積分は収束する。

 

(3)

  

よって、は発散する。

 

(4)

  kou2-007.png

よって、発散する。

 

(5)

  kou2-008.png

よって、収束する。

 

(6) π/2<xのとき

  

であり、

  kou2-009.png

したがって、広義積分は収束する。

(解答終)

 

 

問3 次の広義積分が収束することを示せ。

  

【解】

(0,π/2]

  

だから、

  

だから、広義積分は収束する。

π/2<tとすると、

  

かつが絶対収束する(※)のでも収束する。したがって、も収束する。


(解答終)

 

(※) [π/2、∞)

  kou2-011.png

だから、広義積分は絶対収束する。

 

 

 

問4 f(x)[0,∞)で連続とするとき、次のことが成り立つことを示せ。

(1) f(x)が有界ならば、kou2-012.pngは収束する。

(2) が有界となる定数α>1が存在するならkou2-013.pngばは収束する。

(3) f(x)が非負の減少関数でkou2-014.pngが収束するならばでkou2-015.pngある。

【解】

(1) f(x)が有界なので、ある定数Mが存在して、

  kou2-016.png

したっがって、

  kou2-017.png

で、

  

したがって、kou2-012.pngは収束する。

 

(2) 仮定より、α>1かつkou2-019.pngである定数Mが存在し、

  kou2-020.png

問1の(2)より、α>1のときkou2-023.pngは収束するので、kou2-013.pngは収束する。

 

(3) kou2-021.pngであると仮定すると、f(x)は減少関数なので、任意のx∈[0,∞)に関してf(x)≧α

すると、

  kou2-022.png

だから、kou2-014.pngも発散し、kou2-014.pngが収束することに矛盾。

よって、kou2-015.pngである。

(解答終)

 


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