演算子法入門 その2 [微分積分]
演算子法入門 その2
非同次の2階線形方程式
がある。
これは
と変形し、とおくと
となり、この一般解
である。
したがって、
である。
ゆえに、同次方程式
の一般解に特殊解に
を加えたものになっていることがわかる。
さて、a≠bのとき
を部分積分すれば、
前回、導入した、演算子
ならびに
を用いて、この結果を表すと、次のようになる。
したがって、
が成立する。
また、このことは、微分演算子Dをあたかも実数のように考え、
と部分分数に分解して良いことを示している。
a=bのときは
である。
以下、同様に、
が成り立つ。
また、
が成立する。
より一般に
であるとき、
が成り立つ。
なお、上の計算では、前回の公式
を使っていることに注意。
問1 次の微分方程式を解け。
【解】
微分方程式
の一般解は
非同次の微分方程式
の特殊解については、
よって、
(解答終)
問2 次の微分方程式を解け。
【解】
同次方程式
の特性方程式は
したがって、同次方程式の一般解は
非同次方程式の特殊解については
ここで、
とマクローリン展開(?)すると
ゆえに、一般解は
(解答終)
と部分分数(?)に分解し、
と計算し、
と、特殊解を求めてもよい。
問1はともかく、問2の場合、(部分)積分を一切せず、微分するだけで非同次方程式の特殊解を求められるという利点はあるけれど、計算が楽かといえば、何とも微妙。
しかも、演算子法の演算公式をあらたにいくつか覚えないといけないので、ねこ騙し数学では、(微分)演算子法による微分方程式の解法を推奨しません。
まぁ、
としたとき、非同次のn階微分方程式
の特殊解y₀は
であると簡潔に表せるメリットはあるけれど・・・。
今回は、こういう微分方程式の解き方もあるんだということで・・・。
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