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初等的な微分方程式の解法1 変数分離形 [微分積分]

初等的な微分方程式の解法1 変数分離形

 

 

未知関数yの導関数を含む方程式を微分方程式といい、これを満たす関数をその、解を求めることを微分方程式を解くという。

微分方程式に含まれる未知関数の導関数の最高階数を微分方程式の階数という。例えば、y''=yは1階、y''+y=0は2階の微分方程式である。

n階の微分方程式の解でn個の任意定数をもつものを一般解、任意定数に特別の値を与えたものを特殊解という。特殊解でないものを特異解という。

 

例1 微分方程式

  

の場合、y=C₁cosx+C₂sinxは一般解。この一般解にC₁=1C₂=0を与えたy=cosxは特殊解。

 

例2 微分方程式

  

の場合、y=Cx+C²は一般解、は特異解。

 

y(x)についての1階の微分方程式の一般形は

  sd-000.png  

である。

特に、について解かれているとき正規形という。すなわち、

  

また、(2)式のG(x,y)xだけの関数φ(x)yだけの関数ψ(y)の積φ(x)ψ(y)である場合、変数分離形という。すなわち、

  

 

  

dy/dxについて解かれていないので正規形でなく、非正規形である。

これをdy/dxについて解いた

  

は正規形。

  

は、xだけの関数φ(x)=1/xyだけの関数の積ψ(y)=yの形になっているので、変数分離形である。

 

変数分離形

  

の解は

  

 

 

問題1 次の微分方程式を解け。

【解】

(1)

  sd-001.png

 

(2)

  sd-002.png

 

(3) 定数関数y=0y=1が(2)解であることは明らか。

そこで、y(y−1)≠0とする。

  sd-003.png

左辺

  

よって、①は

  sd-005.png

C=0のときy=1となるので、y=1は特殊解。

いかなる値を任意定数Cに与えてもy=0にならないので、y=0は特異解である。(注)

 

(4)

  

両辺を(1+x²)(1+y²)で割ると

  

は定数だからとおくと、

  

(解答終)

 

(注)

  

の両辺に−1を掛けると、

  

左辺を積分すると、

  sd-007.png

対して右辺の積分は

  

したがって、

  sd-008.png

このとき、C₁=0とすると定数関数y=0となるが、任意定数C₁にいかなる値を与えてもy=1にならないので定数関数y=1は特異解になる。

C₁≠0のとき、③の分母分子をで割ると、③式は

  

ここで、1/C₁=Cとおけば

  

と②と同じ形になるが、このとき、C≠0なので、この式と②は同じ式ではない。

(注終)

 

問 ②に対してC→∞の極限がy=0、③に対してC₁→∞の極限がy=1となることを確かめよ。

 

 

次の微分方程式があるとする。

  

これは、x+y=tとおき、この両辺をxで微分すると、

  

これを(4)式に代入すると、

  sd-009.png

と一般形を求めることができる。

この微分方程式のように、変数を適当に置き換えことによって、微分方程式を変数分離形に変換することができる場合がある。

 

問題2 u=y/xと置き、次の微分方程式をuに関する微分方程式書き換えることによって解け。

  

【解】

u=y/xだからy=uxy=uxの両辺をxで微分すると、

  

一方、微分方程式の右辺にy=uxを代入すると、

  sd-010.png

したがって、微分方程式は次のように変数分離形の書き換えられる。

  sd-011.png

よって、

  sd-012.png

左辺の積分は

  

したがって、微分方程式の解は

  sd-015.png

(解答終)

 

追加問題 問題2にならって、次の微分方程式を解け。

  ds-020.png

【答】

  ds-021.png

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