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ブラゲロ・マムシが喜びそうな動画(^^ゞ [ひとこと言わねば]

ブラゲロ・マムシが喜びそうな日本語の歴史に関する動画のシリーズものを見つけたので、紹介するにゃ。






3番目の「歴史的仮名遣いとは?」くらいから見るといいんじゃないかな。
それはそれとして、最後の動画の10分くらいに益川先生がノーベル賞の記念公演で「あい きゃん のっと すぴーく いんぐりっしゅ」と前置きしたあと、すべて日本語で講演したエピソードが出ているケロよ。

この動画の日本語の分類・歴史は、あくまで、この動画主の考えに基づくものであり、これが定説というわけではないので、この点だけは注意するにゃ。

1番目の動画には、いわゆる「日本語」と「沖縄言葉」は、「英語」と「ドイツ語」以上に異なっているという話が出ているにゃ。
 英語: The man comes here.
 ドイツ語: Der mann kommt hierher.
 日本語: その人は ここに 来ます。
 琉球語: うぬっちょー くまんかい ちゃーびーん。

日本語と琉球語の話はともかく、考えてみれば、東京弁と大阪弁は英語とドイツ語くらい離れているかもしれないね。また、首都圏の一部を除けば、大概のヒトは、標準語≒東京弁――これは山の手の中上流階級に属する人々のお上品な言葉を元に作られた人工的な言葉であって、江戸庶民、江戸っ子の言葉ですらない。ネムネコが考えるに、山の手言葉は、吉原などの遊郭の言葉、廓詞(くるわことば)と同じく、出身地や出身地の言葉を隠すための言葉であって、自然な言語ではない人工的な言語であるクレオール言語、または、コイネー言語の類だね。ギリシア語のコイネーやセム語系のアラム語に相当か(・・?。こんな深みがなくてつまらない言葉しか話せないんだから、文化的に根無し草、浮草であると同時に、きめ細かい感情や情緒をうまく表現できず、「哀れ」と言うしかあるまい。――と方言の両方の言葉を使うことができるから、ヨーロッパ語的な観点からすると、実はバイリンガルなのかもしれない。




だから、日本人は、ヨーロッパ人が2か国語、3か国語くらい話せるのを見て、コンプレックスを感じる必要はないってことになるにゃ。
ネムネコだって、標準語の他に生まれたところの方言を話せるし、新潟市近辺の越後の方言だって正確に聞き取れ――山形県や福島県に近いところの越後の方言は東北弁の色彩を強めるのでその限りではない――、その内容を理解することができる。関西弁だってわかる。しかし、東北弁は正確に理解できないし、まして、これを正確に発音するのは不可能だにゃ。秋田弁、会津弁、津軽弁、青森弁は、ネイティブじゃないと、これはちょっと話せないと思うケロよ。(この動画に登場する秋田弁と鹿児島弁の話者は共にネイティブじゃないね。ネイティブの話す秋田弁は外国語以外のなにものでもないから。まして、鹿児島弁など論外だにゃ。)

さらに、上代日本語の発音例の動画を紹介するにゃ。



実際、この当時、この動画のように発音していたかどうかについてはわからないけれど、現代の日本語とは発音がかなり違うってことだけはわかってもらえるんじゃないか。でも、日本人ならば、聴き始めたときには強い違和感を抱くと思うけれど、聴き進めるにつれ、次第次第に何を言っているのかわかるようになるに違いない。
現代日本語と上代日本語の最大の違いは、「はひふへほ」が「パピプペポ」、あるいは、「ファフィフゥフェフォ」になるってところかな。現代でも、光(ひか・り)が点滅する様子を「ピカピカ」と形容するだろっ。これは古代日本語の発音の名残って話だにゃ。



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bragelone

方言は 幅広くきちんとやったとは言えないんですよね。

主題や論点が簡略化されていると思うけれど その発想や注目点が 教科書どおりのお座なりではないところが いいと思いました。

古代中国語の発音が きちんと出せるとは 知らなかった。

ヴェトナム語の漢字語についても しっかりとはやりませんでした。

朝鮮語の古語については いくつかの研究書にあたってみましたが なにぶん資料がすくないようなのです。古代・中世の文献資料が ほとんどないそうです。

高か←高かる や 行くべー←べき も知りませんでした。

用言の連体形が 終止形に取って代わったという変遷は 例の係り結びにおいて 連体形が文末に来る形式から 展開したと言います。(大野晋)。

解けなへ‐紐 → 解けなえ‐ →解けない‐ という否定法・助動詞の連体形が出来たというのは おもしろい現象のはずです

当時の《標準語》は 解けぬ‐ / 解けざる‐でしたから。

沖縄語(沖縄口:うちなーぐち)は 語句はそれぞれ 日本語文と対応しているようです。

うんぬん うんぬん。・・・



打消しの助動詞は 関西弁で:

 解け‐へん / 解け‐やん

と言います。解け‐は‐せぬ からだろうか? →解け‐や‐せん 。

s > h : おまえさま→ おまーはん
 あなたさま→ あんたはん
by bragelone (2019-03-13 16:00) 

bragelone

0.▲ (現代語への長い道・前半) ~~~~~~~

・解けなへ紐 → 解けなえ紐 → 解けない紐

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆ この話題をふくらませます。

1. それには まづ――ご存じのように―― 古語にはドイツ語の オー・ウムラウトに似たあいまいなオという音韻がありました。 ö と表記することにしますが これは のちに オかまたはウに成ったのですが あづま言葉では エとも表記されました。

2. たとえば:

・ kö 木=コ:木の葉・木霊・梢(=木末)
    =ク:木(く)‐だ(ノ)‐物=果物

 → kö-i (イの折れ:名詞化=被覆形化)> kī > ki 木(き)

・ mö 身=モ:身(も)‐抜け=蛻
    =ム:身(む)‐幹(くろ)=骸

 → mö-i > mī > mi 身(み)

・ nögöhu 拭ふ=のごふ / ぬぐふ


・ 万葉仮名などでの表記は 次のごとく区別しています。:
 no 努・怒
 nö 乃・能

3. このオのあいまい母音が 東日本語では エと発音されたか・またはそのように表記される場合がありました。

・ kökörö 心:介々礼(けけれ)

▲ コトバンク:けけれhttps://kotobank.jp/word/%E3%81%91%E3%81%91%E3%82%8C-2033963


4. すなわち 冒頭の語例は 次のようだと考えられます。

・ 解けなへ( Fö )紐 = 解けなふ( Fö )‐紐

☆ つまり 西日本語では 解けぬ紐 と言うところですが その東式の打消しの助動詞を 西式に表わせば 解けなふ紐 となるということです。

5. ということは 打消しの助動詞は ふたつの用法があった。ことになります。

   終止形        連体形
________________________
西: 解け‐ず。      解け‐ぬ‐紐
   (ず=に‐す)

東: 解け‐なふ。     解け‐なふ‐紐 (解けなへ‐紐)

☆ おそらく な(無)‐ふ(経) という成り立ちだと思われます。

6. では・では・では 現代語で打消しの助動詞はどうして 《ない》に成ったのか? なぜなら このナイは 形容詞のごとく活用するではないか? いったいどうなったのか?
by bragelone (2019-03-14 19:22) 

nemurineko

東のヒトが詠んだ、万葉集の有名な防人の歌

父母が 頭かきなで 幸(さ)くあれて 言ひし言葉(けとば)ぜ 忘れかねつる

これは当時標準とされた畿内の言葉にすれば

父母が 頭かきなで 幸(さ)くあれと 言ひし言葉(ことば)ぞ 忘れかねつる

「と」→「て」、「ことば」→「けとば」、「ぞ」→「ぜ」と、母音「o」が「e]に置き換わっている。

このコメントを読んで、この万葉集の東人の歌が思い出されたので、取り上げました。

by nemurineko (2019-03-15 16:33) 

bragelone

☆ ええ。その語例のほうが はっきりします。

つまり ケトバは コトバのことに他ならないとしっかりと分かるからです。トが テになっていないという変則でもあるようです。


7. つづきですが あとは ナイという打消しの助動詞の活用を確認したら もうこの件は落着だと思います。

8. つまり 連体形が:

 解けなふ‐ → 解けなへ- → 解けなえ- → 解けない‐紐

となった時点で 終止形も 解けない。 になったと見られます。

9. ならば 形容詞の活用に準じて 助動詞でありつつ 活用するようになったと。

10. 次のようにまとめ得ましょうか。

  西語       西式東語     東語
___________________________
未然形:ーーー     ---     ---
   解けざら‐む   解け‐なは‐む   解け‐なから―む
連用形:解けず     解け‐なひ     解け‐なく
    解け‐ざり            解け‐なかり
終止形:解け‐ず。   解け‐なふ。    解け‐ない。

連体形:解け‐ぬ‐紐   解け‐なふ‐紐   解け‐ない‐紐

已然形:解け‐ね    解け‐なへ     解け‐なけれ
    解け‐ざれ
命令形:解け‐ざれ。  解け‐なへ。    解ける‐なかれ。



11. これを考えていて ちょっと自信がゆらいで来ましたが 思弁的であっても 理屈がとおっているかとは思います。

12. ‐なふ という打消し助動詞は 別の ‐なふをふくむ動詞とまぎらわしかったとも見られるかも知れません。
つまり:
・ おこ‐なふ / あき‐なふ / そこなふ

13. なお ようつべ講師と同じく 《歴史は多面体であり 学問とて その一面だけを認識したものである》と 当然のことですが つけ添えます。
by bragelone (2019-03-15 20:50) 

bragelone

14. いい落ちが見つかりました。

あの Goethe が ゴーテでもグーテでもなく ゲーテとなったのは 東日本語のチカラが優勢だったからでしょうか?
by bragelone (2019-03-16 09:04) 

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