位相に関するちょっとした質問 [お前らに質問]
位相に関するちょっとした質問
開区間(a,b)が開集合であることは知っているだろうし、おそらく、このことを証明できるものと信じている。
n次元ユークリッド空間の2点をとすれば、2点間の距離は
で与えられる。
このことは知っていると思う。
n次元ユークリッド空間内の点のε‐近傍(開球、開核ともいう)は
になる。
Aをの部分集合とする。
Aに属するすべての元(点)aがAの内点であるとき、すなわち、
a∈Aならば、
となる正数ε>0が存在するとき、Aはの開集合という。
誤解されると嫌なので断っておくけれど、Aの点ごとによってε‐近傍の正数ε>0の値は違うケロ。
たとえば、最もシンプルな実数直線Rの場合の部分集合(a,b)の場合、集合(a,b)に属する任意の点cに対し、ε>0を
にとれば、
となるにゃ。
したがって、(a,b)はRの開集合になる。
なおここで、記号
は、aとbのうちの大きくない方をあらわす。
や
と定義してもよい。
問0
となることを示せ。
さらにいうと、
であっても構わない。
とにかく、(0,1)の任意の元cに対して
となるε>0、
すなわち、
であるε>0を1つ見つければよい。
ということを踏まえて、次の問に答えてもらおうじゃないか。
問1 (a,b)×(c,d)、すなわち、
がR²の開集合であることを示せ。
Aをの部分集合、xをの点とする。
任意の正数ε>0に対して、
であるとき、aをAの触点という。
集合Aのすべての触点を集めた集合をAの閉包といい、記号やなどで表す。
が成立するとき、Aを閉集合という。
Aが閉集合であるとき、その補集合は開集合であり、この逆も成り立つ。
この下線部を証明しろなんて無茶なことは言わないにゃ。ネムネコは、そんな鬼ではないにゃ。
問2 閉区間[a,b]が実数全体の集合Rの閉集合であることを示せ。
「当たり前すぎて証明できない」なんて文句を言ってはいけない。
x∈[a,b]のときxが[a,b]の触点であることは明らかだから、
である点xは[a,b]の触点でない
ことを示せばよい。
xが集合Aの触点であることは、
ということだから、
xが集合Aの触点でないとは、上の命題の否定
すなわち、
である正数ε>0が存在する、
だにゃ。
だから、のとき、
となるε>0を1つ見つけて、それを示せばよい。
つまり、開集合(x−ε,x+ε)と[a,b]が交わらないようにεを定めればよい。
ここまで丁寧に書いたのだから、問2も解けよな。
お前らのことをこれっぽっちも信用していない心優しいネムネコは、次のような数直線まで用意したにゃ。
ここまでしてやって解けないとしたら、おサルさんにも劣ると言われてもしょうがないと思うにゃ。
余談
xが集合Aの触点であることは、
だから、
xが集合Aの触点でないとは、上の命題の否定
すなわち、
である正数ε>0が存在するである。
そして、
このことは、点xがAの補集合の内点であること、すなわち、
ある正数ε>0が存在して
であることを意味する。
勘のいいヤツは、何故、閉集合Aの補集合が開集合になるのか、そして、開集合の補集合Aが閉集合になるのか、わかるんじゃないかな。
実質、これが本文中の下線部の証明になっている!!
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