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スペインの世界的なオペラ歌手 カバリエさん死去 NHK [今日のクラシック]


つい最近、このブログでカバリエの歌う動画を取り上げたばかりなのに・・・。
カバリエの死を悼み、


この歌は1990年のものだから、カバリエが57歳のときの歌声。年齢を重ねると、声質が重くなり、この手の曲と声が合わなくなるんだけれど、カバリエはそうした声の衰えを感じさせず、見事な歌唱だと思う。この動画を見ていると、このマツコ・デラックスのようにな化け物じみたオバちゃんがだんだん可愛く見えてくる、年頃の若い娘に見えてくるんだから、スゴイもんだケロね。

こちらの動画は1987年のバルセロナ五輪の記念イベントのもの。


テノールのプラシド・ドミンゴやホセ・カレーラスとともにスペインを代表するクラッシク音楽の歌手であった。


こちらの動画は、2016年だから今から2年前の83歳のときの歌声。



まったく年齢を感じさせない声と歌唱に驚いてしまうにゃ。ヤッパリ、このヒトはバケモノだったんだな〜。Montserratでどこか化け物、Monsterを彷彿させる名前だし・・・。

なのですが、声が綺麗で、これといった特徴、クセも持たないので、意外にクラシックファンの記憶に残らない歌手であったのも事実。


カバリエは、何でも歌えるけれど、「この曲ならばカバリエに限る」といった、はまり役というか代表作がないんだよね。普通、カバリエくらいの世界的な歌手ならば、録音も多いので、、1つ2つくらいはあるものなのですが・・・。そして、その録音もクラシックの音楽評論家(日本のボンクラ音楽評論家ではなく、欧米の音楽評論家)からあまり評価されなかったんだよね。

カバリエと同じく、結構、年齢がいっても歌い続けた世界的な名ソプラノ、ビルギット・ニルソンとは対照的。
ビルギットおばあちゃん、78歳のときに、メトロポリタン歌劇場に登場したときの歌。


年齢には勝てないね。さしものビルギットおばあちゃんの歌も随分衰えているけれど、それでも、メトロポリタン歌劇場のお客さんの敬意と熱狂ぶりに驚くばかりだにゃ。

さすがにこれでは比較にならないので、全盛期の二人の歌唱の比較。曲は、プッチーニのオペラ「トスカ」から有名な『歌に生き、愛に生き』です。



ニルソンは20世紀を代表するソプラノの一人で、比べる相手が悪すぎると言えば悪すぎるのだけれど、こうやって比べて聞くと、歌の持つ求心力、訴求力、説得力が圧倒的に違いすぎるような・・・。決して凡庸な歌手ではないのですが、カバリエの声は、やっぱ、ちょっと細い、薄い。と同時に、チャーミングで、技術的にも非常に高いのだけれど、プロの音楽家として最も大切なもの、ヒトの心を強く打ち感動させる何かが欠如しているように思えてならないのであった。、

こうした印象の違いは、カバリエはリリック・ソプラノ(叙情的なソプラノ)、年がいってからはそれよりも重いリリコ・スピント、対して、ニルソンは真性のドラマティック・ソプラノ(重い、劇的なソプラノ)と、声質、役の違いによるところもあるのかもしれないけれどね。
参考に、カバリエと同じくリリコ、または、リリコ・スピントの20世紀を代表するソプラノ歌手の一人であるテバルディの歌を紹介するにゃ。



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