微分方程式のべき級数解1 [微分方程式の解法]
微分方程式のべき級数解1
つぎの微分方程式
の整級数解(べき級数)について考えることにする。
この微分方程式の解yが
とx=0まわりの整級数に展開できるとする。
このとき、上の整級数は−∞<x<∞で項別微分が可能(註1)で
となる。
これを微分方程式y'=yに代入すると、
任意のxについて①が成立するためには、①の無限級数内のの係数がすべて0でなければならない。
さて、y(0)=1だから、a₀=1。
したがって、上の漸化式で定められる数列は
これから、
となり、微分方程式y'=y (y(0)=1)の解と一致する。
註1
定理 整級数の収束半径をρとする。
このとき、
で、は−ρ<x<ρで級である。
問1 次の微分方程式のx=0まわりの整級数解を求めよ。
【解】
とすると、
さらに、
これらを微分方程式に代入すると、
したがって、
でなければならない。
したがって、
x=0のとき、
よって、
これより、
したがって、
(解答終)
問2 次の微分方程式のx=0まわりの整級数解を求めよ。
【解】
とおくと、
また、
これらを微分方程式に代入すると、
よって、
a₁は初期条件y(0)から定まる。
よって、
(解答終)
2018-07-22 12:00
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0