微分方程式よもやま話11 行列の固有値、行列の対角化 [微分方程式の解法]
微分方程式よもやま話11 行列の固有値、行列の対角化
連立微分方程式
を行列で書くと、
となる。
そこで、とおき、この行列の固有値を求めてみると、
そして、固有値λ=1、3に対する固有ベクトルは、
λ=3のとき、
となることから、λ=3に対応する基本ベクトルは
λ=1のとき、
となることから、λ=1に対応する基本ベクトルは
である。
したがって、上で求めた固有値とそれに対応する基本ベクトル(の1つ)の間には、
が成立し、これは次のように1つの行列の形で表すことができる。
行列の行列式|P|=1≠0なので、逆行列を持つので、
となる。
このように、行列Aの固有値とそれに対応する固有ベクトルをもとに行列Aを対角化することが可能である。
つまり、行列の相異なる(実数の)固有値をα、βとし、それに対応する固有ベクトル(の1つ)を、さらに、とするとき、
にできる。
特に、2次の行列Aの成分の間にb=cという関係が成り立つ対称行列の場合、Aが相異なる2つの固有値α、βを持つならば、α、βに対応する固有ベクトルは互いに直交する。
そして、この2つの固有ベクトルを元に新たな直交座標系を設定できる。
行列の場合、この固有ベクトル(の1つ)は
であり、実際にその内積を求めると
となり、この2つのベクトルが直交していることが確かめられる。
なので、
となる。
そして、e'₁とe'₂から生成される新たなO-x'y'直交座標系を作ることにする。
さらに、この同一平面上に存在する点PのO-xy座標系における座標を(x,y)、O-x'y'座標系における座標を(x',y')とすると、
したがって、(x,y)と(x',y')の間には、
という対応関係がある。
とおくと、
という見覚えのある式が出てくる。
そして、上の関係式(1)、(2)は、O-xy直交座標系を原点を中心にθだけ回転させた座標系であるO-x'y'直交座標系における点の座標変換の公式になるのであった。
連立微分方程式
と、この話がどうつながるかわからないって。
そりゃ〜そうだ。
書いている本人すら漠としていて、わからないんだから(^^ゞ
ではあるが、⑨を用いて、上の微分方程式を書き換えると、
よって、
つまり、行列の対角化を用いて、この微分方程式をこのように難しく解くこともできるという話でした。
理論的には重要な話なのだが・・・。
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