お前らに問題(6月9日)の解答例 積分を使う [高校の微分積分]
お前らに問題(6月9日)の解答例 積分を使う
問題 x>0のとき、次の関係が成り立つことを示せ。
最も基本的な解答は、次のようなものだろう。
【解答例1】
とおき、xで微分すると、
したがって、f(x)は、0<x<1のとき減少、1<xのとき増加する。
よって、f(x)はx=1のとき、極小かつ最小。
ゆえに、
(解答終)
また、次の解答例のように、平均値の定理を用いた解答も作ることができるだろう。
【解答例2】
x=1のとき、(1)の等号が成立する。
0<x<1とし、(x,1)に対して平均値の定理を用いると、
であるξが存在する。
このとき、1<1/ξ<1/xだから
1<xのとき、同様に、(1,x)に対して平均値の定理を用いると
このとき、1/x<1/ξ<1だから、
以上のことから、
等号成立はx=1のとき。
(解答終)
さらに、積分を使うのならば、次のような解答を作ることもできるだろう。
【解答例3】
x=1のとき、(1)で等号が成立するのは明らか。
0<x<1とし、t∈(x,1)とすると、
よって、
1<xとし、t∈(1,x)とすると、
よって、
したがって、
等号成立はx=1のとき。
(解答終)
このように、積分を用いて、問題の不等式を示すことができる。
解答1が最もシンプル、かつ、わかりやすいので、解答2、解答3のようにわざわざ難しくして証明する必要はない。しかし、積分を用いると、次のような不等式を簡単に作り出せたりもする。
このとき、
だから、
x<0とし、t∈(x,0)とすると、
だから、
x=0のとき、等号が成立するので、
という不等式を得ることができる。
特に注目して欲しいのは
という不等式。
x>0のとき、この両辺を積分すれば、
そして、これをさらに積分すると、次の不等式が得られ、
これを繰り返すことによって、
という不等式を自然に得ることができるのであった。
そして、宿題!!
右の図は挿絵。
紙面がすこし寂しく見えたので、挿絵を入れただけだケロ。
受験数学でよく用いられる、
「x=−1は解でないから、上の方程式と下の方程式は同値。
したがって、この方程式の解の個数は、曲線との共有点(ここで、交点という言葉を使うと、文句をつけるヒトがいる!!)の数と一致する。
うんぬん、云々・・・」
というテクニックを用いると、思わぬところで足元を掬われるかもしれない(^^)
あなたは次の超越方程式を解けるだろうか。
この解に気付けば別だけれど(^^)
そして、上の図も挿絵であることは言うまでもない!!
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