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微分方程式y''=y²は解けるのか? [微分方程式の解法]

微分方程式y''=y²は解けるのか?

 

 

少し前に、数値計算のところで登場した微分方程式

  

は解けるのか?

 

簡単そうな形をしているから解けそうに思うだろうが、この微分方程式は解けない。

「解けない」というのは語弊があるだろう。正確に表現すると、この解を初等的な関数で表すことはできない。そして、普通、「この微分方程式は解けない」という。

 

とおくと、(1)式の左辺は、

  

になるので、(1)は次のように書き換えることができる。

   

これは変数分離法を用いて、

  

正の符号だけをとると

  

ここまでは求められる。

しかし、この左辺に出てくる不定積分はどんなに頑張っても初等関数で表すことが出来ない(不定積分できない)んだケロ。

 

  

という不定積分は、初等的な関数で表現できないんだにゃ。

 

sekibun-dekinai.png

 

そこで、

とあるサイト(このサイトのアドレスは教えない!!)にこの不定積分の計算をお願いしたところ、次のようなおどろおどろしいものが返ってきた(笑)。

 

 

(3)を表現するには、(第一種の)楕円積分楕円関数)と呼ばれる謎の関数(上の式ではFで表される)が必要になるんだケロ。

  ――この不定積分は実関数であるのに、何と、式中に複素数が含まれている!!――

 

しかし、上の不定積分の結果は、その実、

  

と置くのと何ら変わらない。

そして、新たに導入したNemunNeko関数(の逆関数)を用いることによってのみ、微分方程式(1)の解は、初めて、簡潔に表現できるのであった(^^ゞ

 



嘘だにゃ(^^)

定理 楕円関数ワイエルシュトラスのペー関数)は微分方程式

  

を満足する。

 

だから、この微分方程式の一般解は、ワイエルシュトラスのペー関数という未知の関数(特殊関数)を用いて表すことができる!!

 

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/keywords/11/01.html

 

たとえ、それを用いて表せたとしても、ワイエルシュトラスのペー関数の数表はどこにも出ていないし、表計算ソフトにもこの関数はない。

C言語やFortranなどでもこの関数はサポートされていないから、その値を知ることはできないケロ(笑)。

だ・か・ら、初期値を与えても、この(特殊)解の値を知ることはできず、グラフに書くことはできない。

だったら、最初から無駄な足掻きはせず、オイラー法やルンゲ・クッタ法を使って数値的に解いた方がいいのではなかろうか(^^)

少なくとも、我ら⑨の一族には、楕円関数による解表示なんて必要ないのではなかろうか!!

 




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