微分方程式よもやま話7 『謎の答案』の続き [微分方程式の解法]
微分方程式よもやま話7 『謎の答案』の続き
「微分方程式よもやま話6」の中で次の問題に対する「謎の答案」を紹介した。
aを任意の実数とする。(x−a)²+y²=1で与えられる円のすべてに接する(共通)接線の方程式を求めよ。
【謎の答案】
これをaの2次方程式と見て
よって、y=±1である。
【謎の答案終】
(x−a)²+y²=1をaの2次方程式と考え、その判別式Dの値を0、すなわち、aの2次方程式①が重根をもつとき、何故か、同心円群(x−a)²+y²=1の包絡線が求められた。
さすが判別式ですね〜。その応用範囲は極めて広い(^^)
問題2 次の曲線群の包絡線を求めよ。
(1) aの2次方程式と考えと、
その判別式をDとすると、aは実数だから、
でなければならない。
y=−x²/4とy=ax+a²との交点を求めると、
このとき、y=−x²/4とy=ax+a²は点(−2a,−a²)で接し、y=ax+a²はy=−x²/4の接線になる。
よって、包絡線の方程式は
である。
(つまり、aの2次方程式①の判別式D=0とした方程式
が目的の包絡線の方程式になる。
正確にいうと、包絡線の候補で、特異点の軌跡になることもある。)
(2) y=ax+1/aの両辺にaをかけると
これをaの2次方程式と考え、D=0とすると、
よって、包絡線の方程式は
(謎の答案終)
このように、aの2次方程式の判別式、D=0とすることによって、包絡線を見つけることができる。
ちなみに、問題2のaを
とおくと、上で求めた包絡線は、クレーロー形の微分方程式の特異解になる。
問題3 次の曲線群の包絡線を求めよ。
【謎の答案】
(1) a²+2ax−y=0をaの2次方程式とみて、
(2) 両辺にaを掛けると
(謎の答案終わり)
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