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超越方程式の近似解法 [数値解析]

超越方程式の近似解法

 

f(x)は何回でも微分可能な関数とする。

方程式

  

の一つの解をαとすると、

  

さて、点x₀でテーラー展開すると

  chokin-001.png

2次の項を無視し、さらに、f(x)=0とすると、

  

という近似式が得られる。

Chokin-Graph-000.png幾何的に言うと、(x₀,f(x₀))におけるy=f(x)の接線の方程式は

  

だから、接線のx切片は

  

つまり、関数f(x)x₀におけるf(x)の接線で近似し、その接線のx切片を方程式f(x)=0の近似値としている。

 

(1)式で得られたxx₁とし、

  

と、さらに

  chokin-000.png

と逐次的に計算し、方程式f(x)=0の解αを数値的に求める方法をニュートン法ニュートン・ラプソン法)という。

 

問1 ニュートン法を用いて、01の間にある

  

の(近似)解を求めよ。

【解】

  

x₀=0とすると、(2)式より

  

x₁=0.5だから、

  

x₂=0.61だから

  

よって、x=0.619が解である。

(解答終)

 

このように、ニュートン法は数回の計算で方程式f(x)=0の近似解を求めることができる。

 

しかし、一々、を計算することが面倒な場合、(2)式ではなく

  

を用いて、f(x)=0の近似解を求めることもできる。

この方法をvon Misesという。

 

問2 von Mises法を用いて、01の間にある

  

の(近似)解を求めよ。

【解】

  

x₀=0とすると、

  

したがって、(3)式より

x₁=0.5とすると、

  

以下、同様に

  chokin-002.png

よって、x=0.619

(解答終)

 

上の問からわかるように、一般に、von Mises法はニュートン法よりも収束速度は遅い。

 

下図のように、方程式f(x)=0の解αの間にあるとする。

 

Chokin-Graph-001.png

 

このときを結ぶ直線の方程式は

  

このx切片を求めると、

  chokin-003.png

とすると、

  

という漸化式が得られる。

このように、1次補間を用いて、f(x)=0の(近似)解を求めることもできる。

 

問3 (4)を用いて、01の間にある

  

の(近似)解を求めよ。

【解】

x₀=0x₁=1として表計算ソフトを用いて計算した結果を以下に示す。

 

chokin-tab-002.png

 

(解答終)

 

上の表のn=3のとき(黄色の行)、解は0x₃≒0.497の間に存在せず、そのため、n=4(水色の行)のとき、外挿によって方程式の解の近似値が計算されていることに注意。x₀x₁の選び方によってはこのようなことが起きる。

ニュートン法ほど速くないけれど、それでも、5〜6回ほどの計算で収束していることがわかる。

 

 


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