第22回 曲線座標 [テンソル入門]
第22回 曲線座標
直交座標x、y、zの関数
があるとする。
このとき、ヤコビアンが
であるならば、(1)はx,y,zについて解くことができて、
が得られる。
そして、x、y、zの数の一組にはu¹、u²、u³の数の一組に1対1対応し、u¹、u²、u³の組を座標と考えることができ、これを曲線座標という。
さて、直交座標系において
である3つのベクトルを考える。ここで、Pは領域Dの点Pにおける偏微分係数をあらわす。これによって、D内にベクトル場e₁、e₂、e₃が得られる。このとき、e₁、e₂、e₃の組を曲線座標(u¹,u²,u³)の基本ベクトルまたは基底という。
領域D内の1つのベクトル場Aが与えられたとする。このとき、Aを
とあらわすことができる。この3つの関数の列
をベクトル場Aの曲線座標(u¹,u²,u³)の反変成分という。
また、
をつくり、これを横に並べた行(A₁,A₂,A₃)をベクトル場Aの曲線座標の共変成分という。
さらに、9個の関数
を作り、これを成分に持つ対称行列を曲線座標(u¹,u²,u³)の計量行列という。
このとき、反変成分と共変成分の関係を与える
が成立する。
ここで、行列は行列の逆行列、すなわち、
である。
テンソル場Tを考える。
とおけば、9個の関数が得られる。これらを成分に持つ行列をテンソル場Tの曲線座標(u¹,u²,u³)に関する混合成分という。
また、
とすれば、9個の関数が得られ、これを成分に持つ行列をテンソル場Tの曲線座標(u¹,u²,u³)に関する共変成分という。
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