古代エジプトの割り算 [ひとこと言わねば]
古代エジプトの割り算
57÷6という割り算があるとする。
我々は九九を知っているので――ネムネコは6の段以降が怪しい(^^ゞ――、この答えは
57÷6=9・・・3
とすぐに求めることができる。
しかし、古代エジプトには九九はなかった。そこで、古代エジプト人は次のようにこの割り算を計算したようだ。
第1段階
まず、6+6=12を計算する。2倍した回数1。
12<57だから、12+12=24を計算する。2倍した回数2。
24+24<57だから、24+24=48を計算する。2倍した回数3。
48+48>57だから、アウト!!
57−48=9とする。
第2段階
6+6=12>9だから引けないのでアウト!!
第3段階
9−6=3。そのままの数なので0回2倍したことになる。
これ以上は6でもう引けないので計算はおしまい。そして、これが余り。
よって、商は2³+2⁰=2×2×2+1=8+1=9。
したがって、
57÷6=9・・・3
である。
すこし現代風にアレンジしていますが、このようにして割り算の商と余りを求めたようだ。
随分とまどろっこしい計算をしているように思うだろうけれど、実は、これコンピュータが割り算をするときと同じ手法(機械語またはアセンブラ言語レベル!!)。今のコンピュータは、CPUに割り算専用の回路があったりするので、こんな事はしない!!
この古代エジプトの割り算法は、2進法で計算をするとよくわかる。
2進法だと6は、
で、6=110(2)を左に3つ移動(左シフト)させるにゃ。移動して開いたところには0を埋める。
4つ左シフトすると、
となるで、3つしか左シフトできない。
で、110(2)を3つ左シフトしたもので引く。
110(2)を1個左シフトすると、
ダメなので、0個左シフトする(つまりそのまま)。
もう110(2)で引けない。計算終了!!
したがって、
2進数の筆算で書くと
である。
だ・か・ら、古代エジプトの割り算は、実質、2進法を用いた割り算であったというわけ。そして、これはコンピュータの機械語、アセンブラレベルで実際に使われているアルゴリズム、計算手法と同じもの。
2進数で計算にすると桁数が増えるけれど、原理的には10進数の筆算と同じなんだにゃ。
古代エジプト人はすごいケロね。古代人の智慧をなめちゃ〜いけない!!
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