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一様収束の復習 [数列と級数]

一様収束の復習

 

区間Iで定義された関数からなる関数列x∈Iの各点で関数f(x)に収束するとき、すなわち、

  iy-001.png

であるとき、関数列I上でf(x)に各点収束するという。

 

例1

  iy-002.png

この関数列は、

  iy-003.png

に収束する。

そこで、

  iy-004.png

と定義すれば、

  

となる。

 

ところで、0<x<10に収束するので、任意のε>0に対して

  iy-005.png

したがって、任意のε>0に対して、正の整数を選ぶと、x∈[0,1]

  iy-006.png

となる。

ここで[x]はガウス記号で、xを越さない最大の整数である。

 

一般に、区間Iで定義された関数列f(x)に収束するとき、例1のように、(1)式の正の整数Nεだけでは定まらず、点xで異なる。しかし、点xに無関係にNεだけで定まるとき、つまり、であるとき、f(x)に一様収束するという。すなわち、

任意のε>0に対し、N(ε)を十分に大きく選べば、∀n>N(ε)と∀x∈Iに対し

  iy-000.png

であるとき、関数列は関数f(x)に一様収束するという。

 

例2

  

0に一様収束する。

  iy-009.png

よって、任意のε>0に対して、にとれば、∀n>Nと∀x>1に対して

  

となり、0に一様収束する。

一様収束する関数列に関しては、次の定理が成立する。

 

定理

[a,b]で連続な関数列とする。[a,b]上でf(x)に一様収束するならば、

  iy-007.png

 

例3 a>1とすると、

  

は、[1,a]上で0に一様収束する。

したがって、定理より

  iy-010.png

実際、左辺を計算してみると、

  iy-008.png

 

問題 

  

のとき、次の問に答えよ。

(1) が一様収束することを示せ。

(2) iy-014.pngの値を求めよ。

【解】

(1)を微分すると、

  iy-011.png

したがって、x=1/nのときに極大、かつ、最大になり、

  

したがって、任意のx≧0に対して

  

また、

  

だから、ハサミ打ちの定理より

  

である。

ε>0、さらに、とすると、

  iy-012.png

したがって、任意のεに対して、にとると、∀n>Nに対して

  

となるので、0に一様収束する。

 

(2) 定理より、

  

(解答終)

 

ところで、例1の

  iy-002.png

は、0に各点収束するけれど、一様収束ではない。

しかし、

  iy-003.png

また、の極限関数

  iy-004.png

の定積分

  

となり、

  iy-013.png

が成り立つ。

 

つまり、[a,b]で連続な関数で、関数列が一様収束しなくても、

  iy-007.png

が成り立つ場合がある。


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