【特別寄稿】 コーシーの積分公式の周辺 2 [複素解析]
【特別寄稿】 コーシーの積分公式の周辺 2
複素平面をz=x+iyで表します(i²=−1)。
複素積分∫dz/zを調べるために、まずdz/zを計算します。dz=dx+idyです。
ですが、分子分母にx-iyをかけて分母を実数化します。です。
ところでx/r²ってなんでしょう?。
ですよね?(^^)。
同様に、
です(^^)。
ここで内積をac+bd=(a,b)・(c,d)と書く事にして、上記2つを使うと、
と書ける事がわかります。
複素積分は線積分です。積分路Cの接線線素ベクトルは(dx,dy)になります。(dy,-dx)は、それを右に90°回転させたものです。Cを閉曲線とすれば、すなわち外法線線素ベクトルです。(dy,-dx)=ds。
いま勾配を∇=(∂/∂x,∂/∂y)、歪勾配を∇'=(∂/∂y,-∂/∂x)で定義し、Cを領域Rの境界とすれば、
になります。ガウスの発散定理から、r=0を除いて、
div・∇=∇・∇=Δであり、div・∇'は直接計算すれば、
になります(∇'は2次元のrotです)。
従ってr=0を含まぬ任意の領域で
なので、Rがr=0を含む場合でも、Rを半径εの円に取り直すのが可能とわかります。
dcをCの線素として、ds=(cosθ,sinθ)dcの形に表すと、
と書けます。C上ではr=ε(ε≠0)に注意し、
になる事に気づければ、
が得られます。εは任意でした。
よってε-δ論法で、Rにr=0を含めた時も、
が言えます(rotのdivは0が言えた)。
そういう訳で、
になります。
ところが前回の話から、は、
を満たすのでした。
従って、
となります(Rがr=0を内点として含む場合)。
「デルタ関数がいたぁ~!」と、自分は勝手に大喜びしました(^^;)。
を導くだけです。div(1/z)はデルタ関数なんだから、こんなの明らかに違いないと、喜び勇んで計算にかかりました・・・(^^;)。
(投稿 ddt³)
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