第51回 定積分の応用 曲線の長さ [微分積分]
第51回 定積分の応用 曲線の長さ
曲線の長さについて考える。
曲線弧ABは閉区間[a,b]で定義されるC¹級関数y=f(x)で与えられるとする。
まず、[a,b]の分割
をとり、曲線y=f(x)上の点をで表す。を持つ切線をとり、この切線の長さの和を作ると
全ての分割に関して、分割の幅|Δ|を限りなく小さくしたとき、この和がある1つの値に収束するならば、この極限値をもって曲線弧ABの長さと定義する。
切線の長さは
仮定より、関数f(x)は[a,b]上で微分可能なので、平均値の定理より
したがって、
よって、
仮定より、f'(x)は[a,b]で連続なので、|Δ|→0のとき、右辺のリーマン和は
に収束する。
したがって、
定理 (曲線の長さ)
f(x)を[a,b]でC¹級の関数とする。曲線y=f(x)のa≦x≦bの部分の弧の長さLは
である。
定理の系 (媒介変数表示された曲線の長さ)
関数φ(x)、ψ(x)を[α,β]でC¹級とする。曲線x=φ(x)、y=ψ(t)(α≦t≦β)の長さは
【略証】
(略証終)
問1 次の曲線の流さを求めよ。
【解】
(1) この曲線はy軸に関して対称
だから、
(2) x軸、y軸に関して対称
だから、
(3)
(解答終)
問2 次の極座標表示された曲線の曲線の流さをもとめよ。
【解】
だから、
になる。
弧の長さは、0≦θ≦πの部分の長さを2倍すればよいので、
(解答終)
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