(1+1/n)^nの収束を示す問題 [数列と級数]
が収束することを示す問題
問題1 x>0のとき、次の不等式が成り立つことを示せ。
ただし、nは、n>1の自然数である。
微分を使うならば、次のように解くのが一般的だろう。
【解答1】
とし、この関数の増減を調べるために微分すると
したがって、増減表は次のようになる。
よって、
ゆえに、
である。
(解答終)
微分を使いたくなければ、
に注目し、次のように解くことができる。
【解答2】
0<x<1のとき、
よって、
x=1のとき、0=0で等号成立。
1<xのとき、
よって、
以上のことをまとめると、
(解答終)
問題2
(1) 前問の不等式を用いて、が単調増加列、が単調減少列であることを示せ。
(2) であることを示せ。
【解】
(1) nをn>1の自然数、x>0とすると、
である。
を代入すると、
したがって、
よって、は単調増加列である。
を代入すると、
よって、
したがって、は単調減少列である。
(2) と、は上に有界な単調増加列だから収束する。
また、
だから、
よって、
である。
(解答終)
が収束することを示しているので、
としてもよいのでしょう。
よくまぁ、問題2の(1)のような、うまい方法を思いつくもんだと、ただただ感心するばかり。
この問題が出ていた本には、と置けと書いてあるだけで、あとは何も書いていないんだけれど・・・。
問題2の補足
一般に、
は言えない。
たとえば、
とすると、
となるが、
となる。
だが、本問の場合、は収束するので、
が成立する。
とおくと、
また、
であるので、
したがって、は収束し、
となる。
だから、このときも、
が成り立っているじゃないか・・・。
∞は数ではなく数列が発散することを表すことの簡略表記なので、∞同士を比較して、∞=∞という比較は一般に許されない。
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