ローレンツ変換の”よもやま話” [ねこ騙し物理]
ローレンツ変換の”よもやま話”
この式を見て、なにか気づかないケロか?
ここで、cは光の速さ、sはローレンツの不変量。
y=ctとおき、s=1とすると、
になるんだケロ。
(1)は双曲線で、次のようなグラフになる。
さてさて、ここで何の脈絡もなく、次の関数(双曲線関数)を定義する。
すると、
になる。
したがって、
とおくと、双曲線(1)は
になるにゃ。
なぜ、この関数を双曲線関数と呼ぶかわかったケロか。
このほかに、
三角関数はこうだろう。
一方、双曲線関数は
と、似たような性質を持っている。
三角関数にはタンジェントtan x があるから、
と定義したくなるのは人情というもの。
そして、この微分を求めると、
となりまして、
と同じような形になる。
問 次の公式を示せ。
さてさて、ローレンツ変換は、
だにゃ。
行列で書くと、
ここで、
だケロ。
したがって、
になる。
そこで、α、αβを双曲線関数を用いて、
とおくと、ローレンツ変換は
になる。
この式は、原点まわりの回転
とよく似ているにゃ。
まっ、原点まわりの回転の場合は、x²−ct²がはなく、
が不変量になるという違いはあるんだけれど・・・。
ddt³さんが「ローレンツ変換は原点まわりの回転のようなもの」というのは、こうしたことを踏まえての発言なんだケロよ。
この曲をセレクトしたのには、深い意味があるにゃ。
だって、ローレンツの不変量s²は、虚数単位iを用いると、
と書けるんだから。
さらに、実数という制約を捨て、さりげなく、ローレンツ変換を
と書き換えるにゃ。
これでだいぶ回転らしくなったケロ。
こうすると、
となり、s²=x²−(ct)²はこの座標変換によらず一定の量となる。
s²=x²−(ct)²は、通常の空間での距離ではないけれど、この虚数単位iが入った不思議な空間の距離みたいなものになるってわけだわさ。
コメント 0