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弧状連結 [位相入門]

弧状連結

 

を位相空間とする。通常の位相をもった閉区間[0,1]から位相空間への連続写像を、位相空間における弧といい、f(0)を始点、f(1)を終点という。この場合、2点f(0)f(1)は弧fによって結ぶことができるという。

位相空間は、Xの任意の2点が弧によって結ぶことができるとき、弧状連結であるという。また、Xの部分集合Aが部分空間として弧状連結であるとき、弧状連結集合という。

 

例 の2点に対して、連続写像

  

と定めれば、f(0)=af(1)=bとなるので、通常の位相をもったは弧状連結である。

 

問題 位相空間について、弧状連結であることと、Xの1点aXの任意の点が弧によって結べることと同等の条件であることを示せ。

【解】

前半は明らか、弧状連結の定義より明らか。

Xの1点aXの任意の点は弧で結べるので、Xの任意の点bcに対してf(0)=af(1)=bg(0)=ag(1)=cとすることができる[0,1]からXへの連続写像fgが存在する。

そこで、

  

とすれば、h[0,1]からXへの連続写像でh(0)=bh(1)=c

したがって、Xの1点aXの任意の点が弧によって結べるならば、位相空間は連結空間である。

(解答終)

 

定理1 弧状連結空間は連結空間である。

【証明】

Xは弧状連結であるが連結でないと仮定する。

Xは連結でないので、空でないXの開集合O₁O₂

  

となるものが存在する。

x∈O₁x∈O₂とすると、Xは弧状連結なので、f[0,1]→Xで、f(0)=xf(1)=yとなるものが存在する。

すると、[0,1]の開集合で、

  

となり、閉区間[0,1]が連結であることと矛盾する。

よって、弧状連結空間は連結空間である。

(証明終)

 

例と定理1から、通常の位相を持った、つまり、n次元ユークリッド空間は連結空間であることがわかる。

 

定理2 を位相空間、f:X→Yを連続写像、AXの空でない弧状連結部分集合とする。Afによる像f(A)は、Yの弧状連結部分集合である。

【証明】

y₀y₁f(A)の元とすると、fXからYへの連続写像なので、

  

となるAの元x₀x₁が存在する。

また、Aは弧状連結なので、連続写像γ:[0,1]→Aで、x₀=γ(0)x₁=γ(1)となる弧γが存在する。

したがって、[0.1]からf(A)への連続写像となり、また、f(A)の任意の点y₀y₁に対して、

  

とすることができる。

よって、f(A)は弧状連結である。

(証明終)

 

 


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