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連結性 [位相入門]

連結性

 

位相空間comp1-000.pngに対して、Xの開集合O₁O₂

  ren1-001.png

を満たすものが存在しないとき、comp1-000.png連結空間であるという。

位相空間において、Xの部分集合Aに対して、Xの開集合O₁O₂で、

  

を満たすものが存在しないとき、Acomp1-000.png連結部分集合という。このことは、部分空間が連結空間であることと同値である。

 

定理1 位相空間comp1-000.pngに対してXが連結であることと、∅とX以外に開集合であり同時に閉集合であるようなXの部分集合が存在しないことと同値である。

【証明】

Xは連結であるとする。

もしAは、A≠∅A≠X、かつ、開集合であり同時に閉集合であるならば、

とすると、Bは開集合で同時に閉集合。

  ren1-005.png

となり、Xが連結であることと矛盾。

Xと∅以外に開集合であると同時に閉集合であるXの部分集合は存在しないとする。

もし、Xが連結でなければ、Xの開集合O₁O₂

  ren1-001.png

を満たすものが存在する。

これはであることを意味するので、O₁は開集合であると同時に閉集合となる。

これは矛盾。

(証明終)

 

例 通常の位相に関して、実数全体の集合Rは連結である。

【証明】

Aを開集合であると同時に閉集合であるRの空でない部分集合とする。

Aの一点aを固定し、

  

とする。

B≠∅とすれば、aBの下界なので、Bは下限をもつ。そこで、γinf Bとおくと、γ≧aであるが、Aは開集合でa∈Aであるからa<γであり、[a,γ)⊂A。また、Aは閉集合でもあるので、γ∈A

Aは開集合であるから、正数ε

  

であるものが存在する。

したがって、[a,γ+ε)⊂Aとなり、

  

となり、γBの下限であることに矛盾する。

したがって、B=∅

同様に、C=∅

ゆえに、開集合であると同時に閉集合であるRの空でない集合はR自身となる。

よって、通常のRの位相に対して、Rは連結である。

(証明終)

 

 

定理2 comp1-000.pngを位相空間とする。Xの部分集合Aについて、次のことは同値である。

(1) Aは連結集合である。

(2) Xの開集合O₁O₂

  

を満たせば、A⊂O₁、または、A⊂O₂である。

【証明】

(1)⇒(2)

Xの開集合O₁O₂

  

を満たし、さらに、かつとする。

A⊂O₁∪O₂かつよりO₂∩A≠∅である。同様に、O₁∩A≠∅

これはAが連結集合であることと矛盾。

(2)⇒(1)

Xの開集合O₁O₂

  

を満たすと仮定すると、(2)よりA⊂O₁またはA⊂O₂となる。

A⊂O₁かつO₁∩O₂∩A=∅よりA∩O₂=∅となり矛盾。

A⊂O₂かつO₁∩O₂∩A=∅よりA∩O₁=∅となり矛盾。

よって、このようなO₁O₂は存在しないので、AXの連結部分集合である。

(問題終)

 

 

定理3

写像f:X→Yを位相空間からへの連続写像とし、Aの連結集合とすれば、f(A)の連結集合である。

【証明】

相対位相を考えることによって、A=Xf(X)=Yの場合に帰着できるので、A=Xf(X)=Yとする。

EYの開集合であると同時に閉集合であるとする。

fは連続写像なので、Df⁻¹(E)Xの開集合であると同時に閉集合。また、Xは連結空間なので、D=∅またはDXである。

これよりE=∅またはEYとなる。

よって、Y=f(A)は連結集合。

(証明終)

 

定理4 comp1-000.pngを位相空間、AXの連結部分集合であるとき、

となるBXの連結部分集合である。特に、Aが連結部分集合であればその閉包も連結部分集合である。

【証明】

Xの開集合O₁O₂

  

とする。

A⊂BかつB⊂O₁∪O₂だから、A⊂O₁∪O₂である。

かつB∩O₁=∅、B∩O₂=∅だから。よって、A∩O₁=∅、A∩O₂=∅(註)。

Aは連結集合だから、

  

また、A⊂Bだから

  

ゆえに、BXの連結集合である。

(証明終)

 

(註) OXの開集合であるとき、

  

なぜならば、

  

だから。

 

 

定理5 (中間値の定理)

f:X→Rを連結な位相空間comp1-000.pngで定義された連続関数とする。Xの2点x₁x₂fの値を

  ren1-003.png

とすれば、α<γ<βであるすべての実数γに対して、f(x)=γとなるXの点xが存在する。

【証明】

α<γ<βで、f(x)=γとなるXの点xが存在しないと仮定する。

  ren1-004.png

とおくと、fは連続写像なので、O₁O₂Xの開集合である。

このとき、

  ren1-001.png

となりXが連結であることに反する。

よって、α<γ<βである実数γに対して、f(x)=γであるXの点xが存在する。

(証明終)

 


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