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質点系の力学 第2回 質点系の運動量と角運動量 [ねこ騙し物理]

質点系の力学 第2回 質点系の運動量と角運動量

 

§1 質点系の重心の運動

 

質量m₁m₂m₃、・・・からなる質点系について考える。質点m₁m₂m₃、・・・の位置ベクトルをそれぞれr₁r₂r₃、・・・とし、i番目の質点がj番目の質点に及ぼす(内)力を、さらにi番目の質点にの外力が働いているとする。

このとき、各質点の運動方程式は次のようになる。

  

ここで、記号

  

である。

(1)式の両辺をすべて足し合わせると、

  

より、

  

が得られる。

質点系の全質量をMとすると、

  

と、重心を

  

によって定義すると、(2)式は

  

となる。

これは、位置ベクトルがR、質量がMの1個の質点がという力を受けている運動方程式になっている。つまり、質点系の重心は系全体の質量と外力の全てが集中した1個の質点のように運動する。

 

§2 運動量とその保存則

 

各質点の運動量をで表すことにし、(3)をtで微分したもの

  

は全体の運動量であり、これは重心に全質量が集中した質点がもつ運動量に等しい。この式を時間で微分すると、

  

となり、これと(4)式から

  

となるので、質点系全体の運動量の時間変化の割合は外力の総和に等しいことになる。

外力が存在しないか、外力が存在してもその総和がであるとき、(5)の右辺は0になるから、

  

となり、質点系の運動量の総和は一定に保たれる。

すなわち、

  

これが運動量保存則である。

 

 

§3 角運動量とその保存

 

であるから、(1)の各式とr₁r₂、・・・のベクトル積(外積)をとるとことによって、各質点の角運動量の時間変化に関する次式を得ることができる。

  

これを辺々加え、内力に平行であるとすると、

  

となるので、内力の項は全て消えてしまい、結果、

  

したがって、質点系び全角運動量の時間変化は、その系に働く外力のモーメントの総和に等しい。

もし、外力が働いていなかったり、働いていてもモーメントの総和が0であるとき、角運動量の総和は時間によらず一定で、保存される。

 

 


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