微分方程式よもやま話10 連立微分方程式 [微分方程式の解法]
微分方程式よもやま話10 連立微分方程式
次の連立微分方程式は、解くだけならば簡単だ。数学を得意とする高校生でさえ、親切な誘導があれば解けるレベルのものであろう。
問題 次の連立微分方程式を解け。
【解答1】
①+②
①−②
③+④
③−④
よって、
ここで、c₁、c₂は任意定数。
(解答終)
解に現れる係数1/2が目障りならば、
とおき、
とすることもできる。
これは、まったく、好みの問題である。
高校数学の範囲を超えるが、より一般的な、次のような解き方もある。
【解答2】
①をyについて解くと、
これを②に代入すると、
2階微分方程式④の特性方程式は
よって、
これを③に代入すると、
よって、
ここで、C₁、C₂は任意定数。
(解答終)
連立微分方程式
の解はの形になるであろうと予想すれば、次のように解くこともできるだろう。
【解答3】
と仮定し、①、②に代入すると、
よって、上の連立方程式がa=b=0以外の解をもつためには、でなければならない。
したがって、
λ=3のとき、
ここで、b=C₁とおくと
λ=1のとき
ここで、a=C₂
よって、
ここで、C₁、C₂は任意定数。
(解答終)
解答3は、すこし言葉足らずなのだけれど・・・。
問 次の連立微分方程式を解け。
【解答例】
①式をyについて解くと
これを②式に代入すると、
ここで、④の右辺を0とし、
とすると、微分方程式⑤の特性方程式とその解は
したがって、微分方程式⑤の一般解は
また、x=−t−1は④の特殊解だから、④の一般解は
③より、
したがって、
ここで、C₁、C₂は任意定数。
(解答終)
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