SSブログ

今日のクラシック、シベリウス作曲『交響詩フィンランディア』 [今日のクラシック]

今日のクラシックは、シベリウス作曲の『交響詩フィンランディア』です。


この曲は、日本ではクラシック音楽の入門者向けの曲とされており、『フィンランディア』が好きと言うと、いわゆるクラシックマニアと呼ばれる通のヒトたちから「ふんっ、素人が」と鼻であしらわれる曲でもあります。

ということで、「こんな曲は、改めて、取り上げるまでもないだろう」と苦情が殺到するかもしれませんが、ネムネコの秘密の情報源にこの曲の詳しい解説が出ていたので、解説の方も紹介します。


 この作品も、シベリウスが自国フィンランドの歴史や文化に目覚めた後の作品です。フィンランドは、13世紀ごろから19世紀初頭までスウェーデンの支配下にあり、その後はロシアに服属しました。スウェーデン時代から大公国としての待遇はあったものの、ロシア皇帝ニコライ一世の時代以降自由が次第に奪われ、ロシアの属領化が進みます。それとともに、フィンランドの独立愛国運動が高まりました。そんな中、1899年11月3日から5日にかけて、「報道の記念日」という催しがフィンランド各地で行われました。新聞の発行禁止で職を奪われたジャーナリストたちの年金基金設立を目的として謳っていましたが、言論の自由と民族の団結を訴えるものです。そこで、活人画による舞台劇、『歴史的情景』が上演されることになり、シベリウスはこの劇の伴奏音楽を作曲します。全部で六つの情景から成る作品で、その最後の曲、『フィンランドは目覚める(Suomi herää)』が、交響詩『フィンランディア』の原曲です。ロシア官憲は、愛国心を駆り立てるこのSuomiと題する曲を危険視し、フィンランド国内での演奏を禁止しました。しかし、ロシアの目の届かないほかの国で、『祖国』、『即興曲』のような題名に変えて上演され続けました。

 中間部のメロディーは、『フィンランディア讃歌(Finlandia Hymn)』として知られています。のちにこのメロディーだけ歌詞をつけて合唱曲に編曲され、フィンランドの第2の国歌のようになっていますが、フィンランド以外でも別の歌詞をつけて使われました。このメロディーについては議論がありますが、これはあとで改めて触れます。そろそろ曲を聴きたいと思いますので、最も知られた形である、オーケストラのみによる交響詩『フィンランディア』の版をまず取り上げます。曲の構成は明快で、関連性の強いいくつかのモティーフを使った、序奏付きの三部形式のような形の作品です。シベリウス研究家のエルンスト・タンツェンベルガーは、冒頭の金管楽器のモティーフを「苦難のモティーフ」、そのあとに出てくる16分音符の速い連打による金管楽器のモティーフを「闘争の呼びかけのモティーフ」、テンポがアレグロと急速になった箇所で低音に出る同音型の反復を「闘争の呼びかけの第二のモティーフ」、その直後の華やかなモティーフを「祝典へのモティーフ」と説明しています。その後曲は静まり、『フィンランディア讃歌』の中間部に入りますが、このメロディーも、前のモティーフから引き出されたものです。このあとの部分は、第三部というよりは、もうほとんど終始に向かうだけではありますが、二つの「闘争の呼びかけのモティーフ」と「祝典のモティーフ」の三つを組み合わせ、圧縮しながらクライマックスへと向かって行き、最後にふたたび『フィンランディア讃歌』の一くさりが、金管楽器でコラール風に歌い上げられて、曲は終わります。
(引用元:ネムネコの秘密の情報源)


CDについている楽曲解説だって、ここまで詳しく解説しているものはなかなかない。したがって、この解説を読むだけで、この記事を見た甲斐があるというあると思う。

そして、この解説記事を読んだヒトは、『フィンランド讃歌』がどのような曲、歌詞か気になるに違いない。ということで、


フィンランド語は、主語+目的語+動詞の語形、つまり、SOV系の言葉なので、日本語にちょっと似ているにゃ。かつてスキージャンプで活躍したアホネンという選手がいたけれど、この例のように、何となく、日本語を彷彿させる単語や人名も、結構、多くあるようだケロよ。

だからというわけではないだろうけれど、日本人にはシベリウスのファンだというヒトが多いにゃ。フィンランド人を除くと、日本はイギリスについで、シベリウスの熱狂的なファンが多い国ではないのかな〜。
そして、ドイツなどの大陸のヨーロッパでは、シベリウスは意外なほどに人気がない。
そのため、カラヤンを除くと、有名どころの指揮者による、シベリウスの曲の録音物は少ないのであった。


オーマンディは大指揮者だったのかという点では議論が分かれるところだと思いますが、シベリウスの人気が世界的なものになる前の、早い段階で、シベリウス作品の演奏、録音に最も熱心だった世界的な指揮者は、間違いなく、オーマンディだったと思う。
上の録音は、1959年、ステレオ初期のもの。
とても、ステレオ初期とは思えない、素晴らしい音質の録音だにゃ。このことは特筆すべきことだと考える。
  ――まぁ、「オーマンディの録音は毒にも薬にもならない」という際立った個性、特徴があるが・・・――

さてさて、ネムネコの秘密の情報源に、『フィンランディア』の初稿による演奏が紹介されていたので、ここでも、紹介することにする。


聞いて違いはわかりにくいかもしれないけれど、6分30秒すぎからの終結部で違いをハッキリと聞き取れると思う。初稿と比較すると、最終稿はこの部分がスッキリとしていて、その分、聴きやすくなっているようです。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。