高校の微分に関する問題 sinxは多項式で表わせない [高校の微分積分]
高校の微分に関する問題 sinxは多項式で表わせない
合成関数の微分の証明についてのコメントをいただいたので、高校時代に使っていた数学の参考書を覗いてみた。
そして、次のような問題を見つけた。
問題
(1) sinxは整式(多項式の関数)で表わせないことを示せ。
(2) f(x)は実数全体を定義域とする微分できる関数で、f(1)=0である。
このとき、
とおけば、g(x)は連続関数であることを示せ。
(2)は、たとえば、次のように解けばいいのだろう。
h≠0のとき、f(x)は実数全体で微分可能だから、
よって、f(x)は連続関数。
f(x)とx−1は連続関数で、かつ、x≠1のときx−1≠0だから
は連続な関数。よって、g(x)はx≠1のすべての点xで連続。
また、
だから、g(x)はx=1で連続。
したがって、g(x)は実数全体で連続関数である。
厄介なのは、(1)だケロね。
テーラー展開(マクローリン展開)を知っていれば、sinxは
と無限級数に一意に表せるので、sin xを有限な次数をもつ多項式(整式)で表すことはできない、
ですむのだろうけれど、さすがに、これを大学入試の答案に書くわけにはいかない。
ではあるが、次のようにすれば、高校の数学の範囲になんとかおさめることができるだろう。
もし、
と多項式で表せるのならば、
である。
よって、f(x)は何回でも微分可能で、恒等的に
にならなければならない。
ところで、sin xは
と何回でも微分することができ、g(x)=sin xとおくと、k>nで
となる正の整数kが存在する。
このkをとると、
となり(※)、⑨に矛盾。
よって、sin xは整式(多項式)で表わせない。
ここで、
記号はf(x)のn次導関数を表す。
(※) k>nのとき、
だから、
である。
とか・・・。
ちなみに、
とすると、
である。
0!=1という、さらに、
というお約束を忘れないように(^^)
または、
とおく。
すると、方程式f(0)=0である実数解はたかだかn個。
しかし、sin x=0の解は無数に存在する。
だ・か・ら、もし、sin xが多項式①の形で表わせとすると、矛盾する。
よって、sin xは多項式で表わせない。
あるいは、
だから、sin xが多項式で表せたとすると、x→∞のときにsin xは発散してしまう。
しかし、
で、x→∞のときに、+∞や−∞に発散しない。
――sin xには、この極限値が存在しない。だから、この極限が存在しないことを証明に用いても良いだろう。――
よって、矛盾。
したがって、sin xは多項式で表わせない。
まぁ、こういったところでしょうか。
同様に、cos xが多項式で表わせないことを示すことができるだろう。
「オレは、こうやって解いた」という証明があったら、コメント欄にその証明を書いて、教えて欲しいケロ。
証明が正しかろうが、間違っていようが、このブログで紹介するにゃ。
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