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定常1次元熱伝導方程式の解法2 [数値解析]

定常1次元熱伝導方程式の解法2

 

次のように、熱伝導率が不連続に変化する場合の定常1次元の熱伝導方程式について考える。

  

x=l₁で、Tが連続であれば、x=l₁における温度T₁とすると、熱流束に関して

  

が成立し、

  

となる。

特に、l₁=l₂=l/2の場合、

  

ここで、

  

とおくと、形式的に

  

と書くことができる。

 

(3)は調和平均と呼ばれるもので、一般に

  

が成立する。

だから、

このように熱伝導率が不連続的に変化する場合、熱流束(温度勾配)の計算にあたって、熱伝導率の算術平均を使うことはできない。

 

ネムネコは前回、

  

の熱伝導率の計算において

   

と算術平均を用いたが、「この熱伝導率の計算には、算術平均ではなく調和平均を使うべきなのではないか」という話があって、この計算で算術平均を使う数学的な根拠は、結構、脆弱(^^

 

ではあるが、熱伝導率の計算に算術平均を使った場合は以下の通り。

sanjutsu.png

調和平均を使った場合は、

Chouwa.png

と算術平均を用い場合のほうが、調和平均を用いたものよりも、熱伝導率が温度に対して直線的に変化する場合、良好な計算結果を得ることができる。

熱伝導率などの物性値は、相変化や化学変化などを伴わない場合、温度変化の幅が狭いならば、ほとんど直線的に変化するので、算術平均を使ったほうがより現実に近い。

 

これで、算術平均を安心して使うことができる。

 


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