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第5回 冪集合と集合族 [集合論入門]

第5回 冪集合と集合族

 

集合Aの部分集合の全体を冪集合(べきしゅうごう)といい、記号

などであらわす。

A=1, 2}とすると、Aの部分集合は

  ∅, {1}, {2}, {1, 2}

の4つであるから、

  

である。

 

問1 A={1, 2, 3}の冪集合を求めよ。

【解】

A={1, 2, 3}の部分集合は

  ∅, {1} , {2}, {3}, {1, 2} , {1,3}, {2, 3}, {1,2,3}

の8つであるから、

  

である。

(解答終)

 

一般に、n個の要素をもつ有限集合Aの冪集合の要素の個数はである。

 

問2 空集合∅の冪集合を求めよ。また∅の冪集合の要素の個数は何個か?

【解】

空集合φの部分集合は、空集合∅のみだから、∅の冪集合は

  

である。

したがって、空集合∅の冪集合の要素の個数は1個である。

(解答終)

 

空集合∅の要素の個数は0なので2⁰=1となり、∅の場合にも成り立っていることがわかる。

 

集合の集まりを集合族という。

空でない、ある集合Λがあり、その要素λ∈Λに対し集合が定まるとき、Λによって添え字づけられた集合族Λ上の集合族)といい、集合Λを集合族添字の集合という。

 

 

Λを空でない添字の集合、Λによって添字づけられた集合族とする。すくなくとも1つのに属する要素の全体をこの集合族の和集合といい、で表す。

また、すべてのに属する要素の全体をの共通部分といい、記号で表す。

添字の集合Λが自然数全体の集合Nであるとき、集合族の和集合、共通部分を

  

などと表記することもある。

 

 

何を書いてあるかわからないと思いますが、

集合族の和集合

  

となるがかならず存在するということを表しており、

集合族の共通部分は、すべてのλ∈Λに対して

  

であることを表しています。

 

 

添字の集合を{1,2}上の集合族A₁A₂、集合Bがあるとする。

このとき、


  

と、交換法則が成立する。

同様に、添字の集合Λ上の集合族に対しても、次の交換法則が成立する。

  shugou05-002.png

さらに、ド・モルガンの法則は次のようになる。

  shugou05-003.png

  

 

問 を次のような集合とするとき、を求めよ。

 

【解】

(1)

  

n=1のとき

  

となるので、A₁=∅。したがって、になる。

 

(2)

  

(解答終)

 

(2)の和集合はわかると思うけれど、となるのはわかりづらいと思う(^^)

すべての自然数nに対して

  

が成立するので、すべての自然数nに対して

  

したがって、

  

が成立する。

もし、1<a∈Rとなるあるaがあり、

  

であるとすると、全ての自然数nに対して

  shugou05-004.png

は有限の値だから、自然数には上限があることになり、自然数に上限(最大数)がないことに矛盾する。

したがって、

1<a∈Rとなるあるaがあり、

  

となる実数aは存在しない。

だから

  

である。

 

 


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