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ワンポイントゼミ 1次変換の合成と逆変換 [線形代数の基礎]

ワンポイントゼミ 1次変換の合成と逆変換

 

1次変換fgを表す行列をABとすると、合成写像を表す行列はABである。

また、Aが逆行列をもつとき、fの逆変換f⁻¹を表す行列はA⁻¹である。

 

問1 1次変換

  1hengo-000.png

とする。

このとき、次の問に答えよ。

(1) 合成写像g○ff○gを表す行列を求めよ。

(2) 点(2,3)g○ff○gによって、それぞれどんな点に写されるか。

【解】

(1)

  

 

(2)

  

したがって、

  

(解答終)

 

問2 1次変換の逆変換f⁻¹を表す行列を求めよ。また、fによって点(2,3)に写される元の点を求めよ。

【解】

fを表す行列は|A=23−(−1)5=11≠0だから逆行列A⁻¹をもつ。

  

fによって点(2,3)に写される点を(x,y)とすると、

  

(解答終)

 

 

問3 P(x,y)を直線y=xに関して対称移動し、さらに、原点Oのまわりに60°だけ回転すると点(2,1)に写る。点Pの座標を求めよ。

【解】

P(x,y)を直線y=xに関して対称移動させる変換をf、さらに、原点まわりに60°だけ回転させる1次変換をgとすると、

fgを表す行列AB

  

したがって、

  

よって、元の点は(1−√3,1+√3/2)

(解答終)

 

 

問題1

  

行列Aはどのような1次変換を表しているかを答えよ。

【解】

a²+b²≠0だから、

  1hengo-003.png

ここで、

  

とおくと、

  1hengo-004.png

したがって、Aは拡大(拡大比)と原点を中心とする回転の合成写像を表している。

(解答終)

 

 

 

問題2 原点を通り、x軸の正の向きと角θをなす直線をlとする。点(x,y)lに関する対称点(x’,y’)を次のような1次変換の合成に求める。

 (a) 原点Oを中心とする角−θの回転によって(x,y)(x₁,y₁)に写す。

 (b) (x₁,y₁)x軸に関する対称点(x₂,y₂)に写す。

 (c) 最後に、原点Oを中心とする角θの回転によって(x₂,y₂)(x’,y’)に写す。

各変換を行列を用いて、

  

と表し、それらを合成して

  

と表す。

行列ABCDを求めよ。

【解】

Aは原点Oを中心とする角−θの回転を表す行列なので

  

Bx軸に関する対称変換であり、(x₂,y₂)=(x₁,−y₁)という対応関係があるので、

  

Cは原点Oを中心とする角θの回転を表す行列なので

  

したがって、

  

(解答終)

 

 

問題3 y=mxについての対称移動を表す行列を求めよ。

【解】

m=tanθ0≦θ<π/2,π/2<θ<π)だから、

  1hengo-007.png

cosθの倍角公式を用いると

  1hengo-008.png

したがって、

m≧00≦θ<π/2)のとき

  1hengo-009.png

m<0π/2<θ<π)のとき

  1hengo-010.png

よって、

  1hengo-011.png

以上のことから、

  1hengo-012.png

(解答終)

(※)

  

と求めることもできる。

 

 

問題3の別解

 

PQが直線lに関して対称であるための条件は

 1 PQの中点が直線l上にある

 2 線分PQが直線lと直交

 

nemuneko-sugoi.png【別解】

P(m,−1)、Q(−m,1)とすると、この中点は(0,0)で、直線y=mx上に存在する。

また、

  

直線y=mxはベクトルに平行。

  

よって、PQと直線y=mxは直交する。

したがって、PQは直線y=mxに関して対称である。

平面上の点を直線y=mxに関して対称移動させる1次変換をfをすると、PfによってQに写る。また、直線l上の点(1,m)fによって自分自身(1,m)に写る。

1次変換fを表す行列をAとすると、

  

だから、

  

(別解終)

 

【別解2】

P(x,y)Q(x',y')が直線y=mxに関して対称とする。

PQの中点

  

y=mx上にあるので、

  

線分PQy=mxに直交するので、

  

①と②をx'y'について解くと

  

したがって、

  

(別解2終)

 

(※) 直交する2直線の傾きの積は−1

 

 

 

こういう求め方がいいかどうかは疑問だが、m≠0のとき、

  nemu-sugoi-004.png

だから、

  nemu-sugoi-005.png

直線y=mxの傾きを限りなく大きく(または限りなく小さく)すると、y=mxy軸に限りなく近づいてゆく。

だから、y軸を直線y=mxm→±∞の極限と考えると、上のように、y(直線x=0)に関しての対称移動を表す行列

  

を得ることができる。

 

 

ここから先は絶対に読むな!!

 

「読むと即死」の猛毒成分が含まれている。

 

【別解3】

 

nemuneko-sugoi-001.png

直線y=mxの単位方向ベクトルをとすると、

  

直線y=mxに関して対称な点をP(x,y)P'(x',y')とし、その位置ベクトルをとする。

に対する正射影ベクトルは

  

これは、の中点になるので、

  

(解答終)

 

 

別解3によって、

単位ベクトルに関しての対称変換をfとする。fによってに写される変換は

  

であることがわかる。

これが1次変換であることは、

  

となることがわかる。

 

あなた、これを読みましたね。あなたはネムネコ呪いを受けたにゃ。あなたの運命は決したケロ。もう後戻りはできない。




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