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ガラーキン法 [数値解析]

ガラーキン法

 

微分方程式

境界条件を

とする。

ここで、Vは微分方程式が定義されている領域で、Sは境界面とする。

(1)の解u(x)が独立な試行関数(基底関数)を用いて

と近似できるとする。

このとき、

を残差といい、R=0のときは解uと一致する。

(3)に重みを掛け、

となるようを定める方法が有限要素法の重み付き残差法である。

 

この重みにディラックのδ関数

を用いるものが選点法である。

 

この重みに試行関数、すなわち、

とする方法がガラーキン法である。

 

例によって、微分方程式

を、がラーキン法を用いて解くことにする。

 

この微分方程式の近似解を

とすると、試行関数は

となり、残差は

となる。

したがって、

また、

したがって、

 

よって、

になる。

 

ガラーキン法による計算結果は次の通り。比較のために、選点法による計算結果も示してある。

ga-tab-001.png

fem3-graph-001.png

 

厳密解との差は殆ど無いので、グラフでは厳密解とほとんど重なってしまう。

 

この他に最小2乗法、モーメント法などがあるけれど、あくまで一般論ですが、有限要素法の中ではガラーキン法がもっとも精度がよいといわれている。

 

なぜ、がラーキン法の精度が良いのか、そして、ガラーキン法と変分法との関係について、ddt³さんが説明してくれるに違いない(^^)

 

 


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コメント 3

翼

質問失礼します.

いま差分法でナビエストークスを解くのですが,この重み付き残差の中の選点法,ガラーキン法,最小二乗法などあると思うのですが,一体どの方法を使えばよいのでしょうか.勉強不足なため,このような曖昧な質問になってしまい申し訳ありません.
by 翼 (2018-09-11 20:09) 

nemurineko

コメント、ありがとうございます。

最終的に導出した方程式が、差分と有限要素法で一致する場合はありますが、差分と有限要素法はまったく違うものです。
差分法とは、解くべき微分方程式の(偏)微分を差分を用いて、微分方程式を差分方程式で近似して、その差分方程式解を微分方程式の(近似)解にする手法です。
対して、有限要素法や境界要素法は、微分方程式を何らかの方法で積分し、その積分を代数方程式に書き換えて、数値的に解く方法。
ですから、喩えて言うならば、
 微分→差分法
 積分→有限要素法、境界要素法
といった関係にあります。

ナビエ・ストークス方程式の1次元版であるバーガース方程式の、差分法を用いた数値解法については、このブログの数値解析にいくか記事を書いておりますので、それが参考になるのではないでしょうか。
また、フルのナビエ・ストークス方程式ではありませんが、2次元平板間の境界層方程式の数値解法について幾つか記事を書いておりますので、それが参考になるのではないでしょうか。

あと、非定常の一次元熱伝導方程式について書いた記事も幾つかありますので、まずはコチラから読み、差分法がどのようなものであるか、どのようにして差分方程式を解くのか、こうした扱い方を勉強なさってみてはいかがでしょうか。

by nemurineko (2018-09-11 21:36) 

nemurineko

差分法の基礎と微分方程式への応用について記事を書きましたので、よろしかったら、ご覧になってください。
https://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2018-09-12
by nemurineko (2018-09-12 00:22) 

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