テンソルの問題というよりも行列の問題(10月13日)の答かも [テンソル入門]
まずは、お決まりのこの曲から。
問題1
行列Aの成分をとする。
すると、
となるので、
とおくと、
したがって
とおけば、行列Sは対称行列、行列Tは反対称行列となり、
と、行列Aは対称行列Sと反対称行列Tに分解することができる。
では、お前らに聞くにゃ。
(1)式、(2)式を用いた分解法以外に、行列を対称行列と反対称行列に分解し、その和としてあらわす方法はあるでしょうか?
【答(?)】
正方行列Tが、次のように、対称行列Sと反対称行列(交代行列)Tの和で表せるとする。
すると、
ここで、は行列Aの転置行列。
すなわち、行列Aの(i,j)成分を、転置行列の(i,j)成分をとすると、
である。
仮定より、Sは対称行列、Tは反対称行列だから
したがって、②式は
①と③を連立して、SとTについて解くと、
したがって、正方行列Tが対称行列Sと反対称行列(交代)Tの和で表せるならば、
でなければならない。
(解答終)
つ・ま・り、
正方行列Aが対称行列Sと反対称行列(交代)Tの和で表せるための必要な条件は、
であり、この逆も成立するので、(3)は必要十分な条件というわけ。
そして、このことは、正方行列は必ず対称行列と反対称行列の和に分解できるということを示している。
問題2 次の行列を対称行列と反対称行列の和で表わせ。
【解】
とおくと、
したがって、
このとき、
となり、Sは対称行列、Tは反対称行列である。
よって、
と、対称行列と反対称行列の和で表せる。
(解答終)
2017-10-14 14:37
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