高次導関数を用いた極値の判定の続き [微分]
高次導関数を用いた極値の判定の続き
f(x)=x³のとき、f'(x)=3x²、f''(x)=6x、f'''(x)=6だから、f'(0)=0、f''(0)=0、f'''(0)>0となることより、f(x)はx=0で極値を取らないと判定することができる。
しかし、f(x)=x⁴の場合、f'(x)=4x³、f''(x)=12x²、f'''(x)=24xで、
となり、f(0)の3次導関数の符号を用いた極値の判定は出来ない。
f(x)=x⁴のような場合は、x=a点まわりで
とテーラー展開し、
を代入すると、
となることを利用し、f(a)の極値判定を行えばよい。
xが点aで十分に近く、f(x)の4次導関数が点aで連続であれば、とは同符号なので、
ならば、x≠aのときf(x)>f(a)だからf(a)は極小値、ならば、x≠aのときf(x)<f(a)だからf(a)は極大値である、と判定することができる。
今の話は、「極値判定に高次導関数を利用することが可能」という話であって、「高次導関数を用いて極値の判定をせよ」という話ではない。この点はくれぐれも注意して欲しい。
微分可能な関数f(x)の極値を求めるときは、まず、f'(x)=0となる点を求め、その点の前後のf'(x)の符号の変化を調べて、極値の判定を行うのが常道。これがセオリー。
だから、2次導関数を用いた極値の判定は、f'(a)=0とするとき、f'(x)があまりに複雑な形をしていて、x=aの前後のf'(x)の符号がわかりづらい時、あるいは、f'(x)=0の解を求めることは困難だけれどf'(a)=0の関係式を使うとf''(a)の符号の判定が可能という時にのみ限定して使うべきもの。
だから、面倒に思えても、関数の増減表を書いて、関数の極値判定を行うべきだと思う。
問 y=x³–3xの極値を求めよ。
[解]
y'=0の解を求めると、
以上のことより、増減表は次の通り。
よって、x=−1の時に極大で極大値は2、x=1のとき極小で極小値は−2。
(解答終)
コメント 0