第30回 円に内接、外接する四角形 [初等幾何学]
第30回 円に内接、外接する四角形
§1 円に内接する四角形
円に内接四角形に関しては、次の定理がある。
定理 (円に内接する四角形)
四角形が円に内接するとき(1) 対角の和は180°である。
(2) 外角は、その隣りあう内角の対角に等しい(1) 円Oに四角形ABCDが内接しているとする。
∠BAD=x、∠BCD=yとすると、円周角の定理より
(2) 直線BEの角度は180°。よって
①、②より
(証明終わり)
上の定理は、逆も成り立つ。
定理 (円に内接する四角形の定理の逆)
四角形が円に内接する条件は(1) 対角の和は180°である。
(2) 外角は、その隣りあう内角の対角に等しい【証明】
(1) 四角形ABCDがあり、
△ABCの外接円Oを書く。
ACに関してDと同じ側にあり、円周上にあるD’をとり、四角形ABCD’を作る。
四角形ABCD’は、円に内接するので、①、②より
円周角の定理の逆より、点Dは円周上にある。
よって、四角形ABCDは円Oに内接する。
(2) ∠BCD=∠DCEとする。
となり、(1)より、四角形ABCDは円に内接する。
(証明終わり)
問題1 次のx°、y°を求めよ。
【解】
四角形ABCDは円に内接。円に内接する四角形の合う向かう角の和は180°だから
∠ABCは
外角yは隣り合う内角∠ADCの対角∠ABCに等しい。
(解答終わり)
問題2 次のx°を求めよ。
【解】
△BCEに注目。三角形の内角と外角の関係よりまた、四角形ABCDは円に内接するので
∠CDE=∠EBC=x°
△CDFに注目。三角形の内角の和は180°だから
(解答終わり)
§2 円に外接する四角形
復習をかねて、円Oに円外の点Pから引いた2接線との長さについての次の定理を最提示。
定理 円O外のP点から、この円に引いた接線の長さは等しい。
【略証】
三平方の定理より
(略称終わり)
次に、円に外接する四角形に関する次の定理。
定理 (円に外接する四角形)
四角形が円に外接するならば、2辺の対辺の長さは等しい。逆も成り立つ。
【証明】辺AB、BC、CD、DAと円Oとの接点をE、F、G、Hとする。
AE=AH、BE=BF、CF=CG、DG=DH
よって、
逆の証明は、勘弁して欲しいにゃ。
問題3 AB=8、BC=9、周の長さが28の四角形ABCDが円に外接している。DAとCDの長さを求めよ。
【解】四角形ABCDの周の長さは四角形ABCDが円に外接しているので、
よって、
だから、DA=5、CD=6。
【解答終わり】
2016-06-24 12:00
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