第7回 変数変換 [重積分]
第7回 変数変換
1変数関数の積分で置換積分をやったにゃ。α≦t≦βで定義された関数φが滑らかで単調な関数でかつx=φ(t)、a=φ(α)、b=φ(β)であるとき、
になるというヤツだにゃ。
この置換積分のようなものが2重積分にも存在するという話。
級の関数φ、ψがあって、x=φ(u,v)、y=ψ(u,v)であるとき、
という謎の量、ヤコビアンというものを定義する。
ちなみに、
このヤコビアンなる謎の量を導入すると、次のようになるにゃ。
定理7
Dをxy平面の積分領域とし、f(x,y)はDで連続とする。級の変換x=φ(u,v)、y=ψ(u,v)によりDがuv平面のEに1対1に対応するとする。このヤコビアンがJ≠0であるならば、
である。
証明は結構大変なので、これも天下り的に受け入れてもらうことにするにゃ。
感覚的に受け入れてもらうことにするケロ。かりに、x=2u、y=2vという変換があり、xy平面上の0≦x≦1、0≦y≦1という領域Dがuv平面の領域Eにうつされたとするにゃ。
そうすると、x=2u、y=2vなのだから、これは0≦u≦1/2、0≦v≦1/2になる。で、uv平面上のEの面積を計算すると、1/2×1/2=1/4。面積が変わっている。だから、uv上で積分する場合、面積を4倍しないといけない。で、このヤコビアンを計算すると、
なので、これを掛けてやると、面積の辻褄が合うというわけ。
つまり、一般に図形を変換すると元の図形と面積が変わってしまうので、面積の辻褄合わせをしないといけない。それがヤコビアンという量という。
たとえば、原点を中心とする半径aの円の内部と円周の領域D
があるとする。この図形の面積はだにゃ。
これをx=rsinθ,y=rcosθという極座標を用いて(x,y)→(r,θ)に変換する。そうすると、xy平面のDはrθ平面上の0≦r≦a、0≦θ≦2πという長方形のEに変換される。このuv平面上のEの面積を求めると、2πaなので、元の面積と変わってしまっている。
だから、面積の辻褄合わせが必要。
そこで、ヤコビアンを求めてみる。
になるので、
となり、DとEの面積が一致する。
ちなみに
だにゃ。
また、定理7より
これは公式のようなものだから、覚えておいたほうがいい。
コメント 0