第2回 重積分の計算 [重積分]
第2回 2重積分の計算
第1回でやった2重積分の定義から積分の値を求めるのは至難の業なので、とりあえず、証明なしで次の定理を受け入れてもらうことにするにゃ。
定理3(区間上の2重積分の累次化)
関数f(x,y)が閉区間K=[a,b]×[c,d]で連続ならば、
ここで注意して欲しいのだけれど、累次積分と2重積分を区別するために
と書いたりもするにゃ。
そして、
と書いたりする。
誤解を招きやすい表記法なので、ねこ騙し数学では、こういう表記法を極力使わないことにして、括弧をつけた表記法を使うことにするにゃ。
K=[a,b]×[c,d]上の連続関数f(x,y)が[a,b]で定義される連続な関数φ(x)、[c,d]で定義される連続な関数ψ(y)で
f(x,y)=φ(x)ψ(y)とxの関数φ(x)とyの関数ψ(y)であらわされるときとなるにゃ。
―――1変数関数の積分のタダの積になる―――
これは、この2重積分を累次化すると
となり、はyを含まない定数なので、この部分はyに関する積分記号の外に出せるので
となることから分かる。
わかりづらかったら、③の変形の時に
とおけばいいにゃ。
そうすると、
となり、このAを元に戻せば③になるにゃ。
問題1 K=[0,1]×[0,1]のとき、次の値を求めよ。
【解】
②式を使うならば、
となる。
①式を使うならば、
となる。これはxに関する積分を最初に計算したけれど、
として計算してもいい。
問題2K=[0,1]×[0,1]のとき、次の値を求めよ。
【解】
あるいは、
これくらいならば、最初にxで積分しようが、最初にyで積分しようが、計算量はそれほど変わらないけれど、複雑な関数の計算だと計算量がかなり違う場合があるケロ。
なお、問題2は
として計算したほうがいくらか計算は楽になると思うにゃ。こう分けると、③式より
となり、ほとんど暗算で計算できる。
問題3
【解】
K=[0,1]×[0,1]ね。
この問題は
で計算しようとすると、大変なことになる。
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