第18回 交代級数の収束・発散の判定 [数列と級数]
第18回 交代級数の収束・発散の判定
級数収束するけれど、絶対級数は収束しない。このとき、級数を条件収束するというにゃ。
これまですべてのn に対しての正項級数の収束の話をしてきたけれど、実際の級数には次のように正と負のの項を含む場合があるにゃ。
この級数のように、正→負→正・・・といったふうに交互に現われる級数のことを交代級数というにゃ。
交代級数の定義
のように符号が交互に現われる級数のことを交代級数という。
たとえば、
の場合は、公比が –1/2 で、この絶対値が1 より小さいので収束することはわかるけれど、 一般に交代級数の収束・発散の判定は難しいにゃ。
ちなみに、
ですから、
でしょうか。
冒頭部分で例としてあげた
の程度の簡単な級数でも、これが収束するのか、発散するのか、すぐには判断がつかないにゃ。困るにゃ。
ということで、次の定理。
定理 (ライプニッツの定理)
この定理を使うと、
が収束することがすぐに分かるケロ。
問 次の級数は収束するか。判定するケロ。
だけど、これの絶対級数(正項級数)
は収束しない。
で、
となることから発散する。
そして、このことから、条件収束をする級数は必ずしも絶対収束するとは限らないことがわかるにゃ。
問題 次の級数は絶対収束、条件収束するか? 判定するケロ。
【略解】
(1)とおき、前回の扱ったダランベールの判定法を用いると
よって、
は収束する。
絶対収束するので、当然、条件収束する。
(2)
だから、この級数は絶対収束しない。
となり、ライプニッツの定理を満たすので、条件収束する。
ライプニッツの定理の証明
ライプニッツの定理の証明
すると、
となるケロ。
となり、括弧の中の符号は+。だから、はn が大きくなれば増加するにゃ。
対して、
さらに、
だから、
となるにゃ。
ほいで、
となり、区間縮小法から
よって、この定理は証明された。
余談ですが、
ですにゃ。
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