第37回 定積分で面積を [微分積分]
第37回 定積分で面積を
前回に続いて、定積分を使って図形の面積を求めますにゃ。
で、今回は前回とは違ったタイプ、媒介変数(パラメータ)でx、yが現わされた図形の面積を求めますにゃ。
ここで威力を発揮するのが、置換積分ですにゃ。つまり、
ですにゃ。
厳密なことを言うと、ちょっと違うんだけれだろうけれど。
何はともあれ、問題を解いてみるにゃ。
例題1 次の曲線とx軸とで囲まれた面積を求めるケロ。
【解答】
0 ≦ θ ≦ π のとき、
x = acosθ は減少関数で、その値域は –a ≦ x ≦ a。
–a = acos(π)、a = cos(0) だケロ。
y = asinθ は、0 ≦ y ≦ aとなる。
だから、この面積は
になる。
で、
積分区間の限界(下端、上端)は
x = –a → θ = π
x = a → θ = 0
だから、①式は
②→③の変形は、定積分の
を使っているよ。
下端が上端より大きいというのは、見た目が悪いから。
で、これはどんな図形かというと、
なので、楕円の半分なんだケロ。
つまり、今求めた面積の二倍が楕円の面積になる。
楕円の面積 = πab
a = b = 半径 とすると、
円の面積 = 円周率×半径×半径
となっていることがわかるケロ。
となるので、
として計算をしてもいいケロ。この被積分関数は偶関数なので(x → –x としても同じ関数になる)ので、
として、これをx = a cosθ として置換積分して計算してもいい。
ネムネコは優しいから―――誰も言ってくれないから自分で言う―――、原始関数の表を使うこともできる。
となる。
原始関数の表に、
が書いてあるので、これを利用するならば、
となる。
あるいは、この積分は半径aの面積の1/4だから、計算することなく上の結果を出してもいいにゃ。
例題2 次の曲線とx軸で囲まれた面積を求めよ。
0 ≦ t ≦ 2π で、x = a(t – sint) は増加関数で、値域は 0 ≦ x ≦ 2πa。
で、y ≧ 0だから、面積は
になる。
積分区間の限界は
x = 0 → t = 0
x = 2πa → t = 2π
なので、④は
これ、真面目に計算しないと駄目?
だから
―――こんな計算するまでもなく、これは見た瞬間にゼロだと分かる―――
上の積分は、結局、
になる。
では、少し本格的な問題を。
例題3
tがすべての範囲の実数を動くとき、
を座標とする点(x,y)は1つの曲線をえがく。この曲線とx軸とで囲まれる部分の面積を求めよ。
【名(迷)解答?】
で(yがx軸の上にある範囲を求めた)、
何も考えずに機械的に
と計算して、
面積だからマイナスだと塩梅が悪いので、
とすると、結果は正しいんですよ。
【解答】
–2 ≦ t ≦ 0 でxは減少、0 ≦ t ≦ 1で増加するので、
t = 0のとき、 x = 1 が最小
t = –2のとき、x = 5が最大
ね。
だから、t = 0 ~–2、x = 1 ~5の間にある上の曲線(?)yuとx軸と囲む面積は
で、
t = 0 ~ 1、x = 0~1の間にある下の曲線(?)ylとy軸との囲む面積は
となり、
求めるべき面積は、この差、
ここで、
という定積分の性質を使っています。
だから、
となる。
だから、【名(迷)解答】は正しい(笑)。
例題3の追加説明
求める面積は
だから、
を求めて、
を引けばいい、というわけ。
赤い部分の面積は
黄色い部分の面積は
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