意外に厄介な微分方程式の問題


 


お正月に実家に帰省した際、高校時代に使っていた問題集の問題をいくつか眺め、簡単に解けそうだけれど、実際に解くと大変そうだな思う問題があったので、解いてみた。


 


問題1 微分方程式


  


の解を求めよ。ただし、初期条件y(0)=1を満たすものとする。


【解】


は定数なので、


  


とおくと、微分方程式は


  


になり、変数分離法を用いて次のように解くことができる。


  


この結果を①に代入すると、


  


また、初期条件y(0)=1より


  


②に代入すると、


  


よって、


  


したがって、


  


(解答終)


 


決して難しい問題ではないけれど、計算がちょっと面倒くさいケロ。


 


別解として次のものを挙げておこう。


 


【別解】


  


の両辺をxで微分すると、


  


ここで、u=dy/dxとおくと、


  


この微分方程式の解は


  


したがって、


  


となる。


これを①式の左辺に代入すると、


  


となるので、①は


  


となる。


初期条件y(0)=1より、


  


連立方程式


  


を解くと、


  


したがって、


  


(別解終)


 


どちらが楽かは、正直、微妙ですが、変数分離法を使わないので、疚しさは多少軽減されるに違いない(笑)。


 


 


問題2 微分方程式


  


の解で、そのグラフと2直線x=0y=2の囲む図形の面積が1となるものを全て求めよ。


 


おそらく、この問題は次のように解くのであろう。


 


【解】


  


これをyについて解くと


  


になる。


C=0のとき、定数関数y=1となり不適。


C≠0のとき、y=2と曲線①との交点のx座標をxとすると、


  


C>0のとき、x=0y=2と①が囲む面積は


  


だから、条件より


  


したがって、


  


C<0のときは、


  


となるので、


  


したがって、


  


(解答終)


 


定数関数y=0という自明の解(特異解)が存在するが、これは大昔に出題された大学入試問題だし、この解の吟味はしなくてもいいに違いない(^^


 うるさいことを言い出したら、キリがないからね〜。