位相の確認問題


 


まずは、用語の復習。


 


Xの部分集合の集合、すなわち、Xの冪集合の部分集合とする。


  


を満たすとき、Xの上の位相Xの組位相空間という。


位相空間に対して、


(1) の元を開集合という。


(2) Xの部分集合Fは、その補集合が開集合であるとき、閉集合という。


(3) AXの部分集合とする。Aに包まれる最大の開集合をで表し、A内部、または、開核という。の元をA内点という。


 


X={1,2,3}とすると、この冪(べき)集合


  


である。


ここで、とおくと、である。


また、


  


さらに、I={1,2,3,4,5,6,7,8}とすると、任意のi,j∈Iに関して、


  


が成立する。


また、とすれば、


  


が成立するので、は位相空間になる。これをX={1,2,3}の離散位相という。


O₁=∅O₂={1}、・・・、O₈=X={1,2,3}は、Xの冪集合の元なので、すべて開集合である。


また、たとえば、となるので、{1}は閉集合である。同様に、O₁O₈の全ては開集合であると同時に閉集合である。


O₆={1,3}を包む最大の開集合はそれ自身O₆なので、


  


が成立するので、O₆={1,3}の内点は1、3である。


このことは、O₆は開集合だから開核演算子の公式より、


  


が成立するので、当たり前といえば当たり前の話。


 


 


問1 X={1,2,3}とし、とする。このとき、次の問に答えよ。


(1) X上の位相であることを確かめよ。


(2) {2,3}の閉集合であることを示せ。


(3) {1,3}の開核を求めよ。


(4) {1,3}の内点を求めよ。


【略解】


(1) 省略


(2) 。よって、{2,3}は閉集合である。


(3) {1,3}に包まれる最大の開集合{1}。よって、


  


(4) (3)より{1,3}の内点は1である。


(略解終)


 


 


問2 Xを空でない集合とし、とする。


(1) X上の位相であることを確かめよ。


(2) の閉集合を全て求めよ。


(3) X={1,2,3}とする。A={1,2}のとき、Aの開核を求めよ。


【略解】


(1) 省略


(2) ∅、X


(3) A={1,2}に包まれる最大の開集合は∅。したがって、


  


よって、内点は存在しない。


(略解終)