第39回 積分の平均値の定理とテーラー展開


 


 


定理1 積分の平均値の定理


f(x)[a,b]で連続であるとき、


  


を満たすξが存在する。


【証明】


f(x)[a,b]で連続なので、f(x)[a,b]で最小値m、最大値Mをもつ。


m=Mのとき、すなわち、f(x)が定数のとき、(1)が成り立つのは明らか。


そこで、m<Mとすると、


  


b−a>0で割ると、


  


したがって、中間値の定理より


  


を満たすξa<ξ<bに存在する。


よって、


  


(証明終)


 


この定理はさらに次のように拡張することが出来る。


 


 


定理2 (積分の第一平均値の定理)


f(x)[a,b]で連続、g(x)[a,b]で非負連続のとき、次の関係を満たすξが存在する。


  


【証明】


g(x)[a,b]で恒等的に0のとき、(2)が成り立つのは明らか。


そこで、g(x)[a,b]で恒等的でない、すなわち、とする。


f(x)[a,b]で連続なので、[a,b]で最小値m≦最大値Mをもつ。


m=Mのとき、すなわち、f(x)[a,b]で定数のとき、(2)が成り立つのは明らかなので、m<Mとすると、


[a,b]において


  


よって、


  


で割ると、


  


中間値の定理より


  


よって、定理は証明された。


(証明終)


 


 


問1 f(x)[a,b]級であるとき、


  


であることを示せ。


【証明】


  


積分の平均値の定理より


  


よって、


  


(証明終)


 


問2 f(x)[a,b]級であるとき、


  


が成り立つことを示せ。


また、これを利用し、


  


が成り立つことを示せ。


【証明】


  


右辺を次のように部分積分すると、


  


b−x[a,b]で非負連続なので、積分の平均値の定理より


  


を満たすξが存在する。


また、


  


ゆえに、


  


(証明終)


 


さらに、


  


同様に部分積分を繰り返すと、


  


を得る。


積分の第一平均値の定理より


  


となるので、


  


とテーラーの定理を得ることができる。


 


定理3 (積分形のTaylor展開)


f(x)[a,b]級ならば、任意のx∈[a,b]に対して