第33回 無理関数の不定積分


 


被積分関数が無理関数を含む場合、適当な変数変換をすると、不定積分を求めることができる場合がある。


 


定理1


R(x,y)xyの有理関数ならば、とおくと、有理関数の積分に帰着できる。


 


問1 次の不定期分を求めよ。



【解】


(1) t=√xと置き、両辺を2乗すると、x=t²。したがって、dx=2tdt


よって、


  


 


(2) とおき、両辺を3乗してxについて解くと


  


ゆえに、


  


 


 


(2) とおき、両辺を2乗し、xについて解くと


  


したがって、


  


よって、


  


(解答終)


 


 


定理2


R(x,y)xyの有理関数ならば、は次の変換によって有理関数の積分に帰着する。


(1) a>0のとき、


(2) のとき、


  


 


問2 次の不定積分を求めよ。



【解】


(1) とおくと、


  


両辺を2乗してxについて解くと、


  


ゆえに


  


 


(2) とおくと


  


両辺を2乗してxについて解くと


  


したがって、


  


ゆえに


  


 


(3) だから、


  


とおき、この両辺を2乗すると、


  


よって、


  


ゆえに


  


(解答終)


 


問3 次の問に答えよ。


(1) 次の不定積分を求めよ。


  


(2) (1)の結果を利用して、次の不定積分を求めよ。


  


【解】


(1)


  


 


(2)


  


t=x+1/2とおくとdx=dtだから


  


 (解答終)