第10回 導関数


 


関数f(x)が開区間Iの各点xで微分可能なとき、f(x)Iで微分可能であるといい、対応x→f'(x)によって定められた関数f'(x)f(x)導関数という。


すなわち、


    


f(x)の導関数f'(x)を求めることを微分するという。


 


(1)以外に、関数y=f(x)に対して、その導関数を


  


などで表す。


 


関数f(x)が開区間(a,b)で微分可能で、かつ、点aで右側微分可能で点bで左側微分可能なとき、関数f(x)は閉区間[a,b]で微分可能であるという。


 


問1 次の関数の導関数を求めよ。



【解】


(1) f(x)=cとおくと、


  


 


(2) f(x)=xとおくと


  


 


(3) f(x)=x²とおくと、


  


 


(4) f(x)=x³とおくと


  


(解答終)


 


問1の(2)〜(4)から、nを自然数とするとき、


  


が成り立つことが予想される。


 


問2 次のことが成立することを示せ。


  


【解】


とおくと、2項定理より


  


(解答終)


x⁰=1なので、定数関数f(x)=1を形式的にf(x)=x⁰と考え、n=0のときも①が成り立つとすると、


  


となるので、


  


と拡張することができる。


 


 


問3 次の導関数を求めよ。ただし、x≠0とする。



【解】



(解答終)


 


なので、n=−mとおくと、問3の(3)は、


  


となるので、nが負の整数のときにも拡張することができて、結果、次の公式を得る。


 


  


 


問4 次の関数を微分せよ。



【解答】



(解答終)


 


 


問5 次の関数を微分せよ。



【解】



(解答終)


 


問5から、三角関数に関する次の微分公式が得られた。


  


 


なお、問5の解答では、三角関数の極限


  


を使っていることに注意。


 


 


問6 次の関数を微分せよ。



【解】



(解答終)


 


問5の解答では、


  


という極限の公式を使っていることに注意。


 


  


を底にした対数、すなわち、自然対数で表すと、指数関数、対数関数の導関数は次のようになる。