論理の問題2


 


問題1 pqrsを任意の命題とするとき、が同値であることを示せ。


【解答】


 


(解答終)


 


 


問題2 実数abxya+b=1x+y=2ax+by=3を満たすならば、abxyのうち、少なくともひとつは負の数であることを示せ。


【解答】


背理法で示すために、結論「abxyのうち、少なくともひとつは負の数である」を否定すると、「abxyのすべては0以上である」。


そこで、


 


と仮定する。


a+b=1だから、


 


x+y=2だから


 


したがって、


 


となり、ax+by=3に矛盾する。


したがって、


abxyのうち、少なくともひとつは負の数である。


(解答終)


 


 


問題3 実数abxに対して、次の命題の真偽を理由をつけて述べよ。


(1) |a+b>a+b|ならばab≠0である。


(2) a≦xx≦bを同時に満たすxはすべて、x<bを満足する。


(3) a≦bならばx≦aを満足するxはすべて、x≦bを満足する。


(4) f(x)=x²+3x+2とする。f(a)>0ならばaf(x)=0の2根の大きいほうよりもさらに大きい。


【解答】


(1) 対偶をとると、


ab=0ならば|a+b|≦|a+b


ab=0と「a=0またはb=0」は同値なので、


a=0またはb=0」ならば|a+b|≦|a+b


となる。


これは真であるから、この命題は真である。


(2) 偽。反例:a=b=x=1


(3) 偽。反例:a=b=x=1


(4) f(x)=x²+3x+2=0の解はx=−1、−2a=−3とすると、f(−3)=2>0であるが、a<−1。よって、この命題は偽。


(解答終)


 


 


問題4 「実数abがともに有理数ならば、a+bは有理数である。よって、もしa+bが無理数であるならば、abはともに無理数である」という推論は正しいか。正しくなければ、正せ。


【解答】


a=√2b=−√2とすると、abはともに無理数であるが、


 


は有理数で、無理数でない。


有理数全体の集合をQ、無理数の集合をとすると、命題命題「実数abがともに有理数ならば、a+bは有理数である」の対偶は、「a+bが無理数であるならば、aまたはbは無理数である」である。


だから、「a+bが無理数であるならば、aまたはbは無理数である」とすればよい。


(解答終)


 


 


問題5 条件p(x):x²−6x+8<0q(x):x²−9x+8>0について、


(1) 命題「p(x)またはq(x)」の真理集合Sを求めよ。


(2) すべてのx∈Sについて、x²−ax+8≠0のための条件を求めよ。


【解】


(1) x²−6x+8=(x−2)(x−4)<0だから、この解は2<x<4。また、x²−9x+8=(x−1)(x−8)>0だから、この解はx<1またはx>8


したがって、


 


 


(2) この条件は方程式x²−ax+8=0の解が、虚数解であるか、Sの補集合に属するとき。


x²−ax+8=0が虚数解を持つ条件は


 


x²−ax+8=0が重根をもつときは、x=±2√2となり不適。


x²−ax+8=0が相異なる2実根をもつとき、f(x)=x²−ax+8とすると、f(1)≧0f(2)≦0f(4)≦0f(8)≧0でなければならない。


よって、


 


したがって、6≦a≦9


ゆえに、−4√2<a<4√2、または、 6≦a≦9


(解答終)


 


問題6 次の条件は、すべてのxについてx²+px+q>0であるための何条件であるか。ただし、pqは実数とする。



【解】


すべてのxについてx²+px+q>0の必要十分な条件は


 


である。


 


という包含関係が成立するので、


(1) 必要条件  (2) 十分条件


(解答終)


 


 


問題7 ある学者が古今東西の政治家について調べて、次のような説を立てた。


 (1) A型のものはすべてB型でない。


 (2) C型でないものはB型でない。


 (3) C型のものはすべてD型でない。


 (4) E型のものはすべてB型である。


この説から次のどの結論が出るか。その理由を(ベン)図を用いずに書け。


 (あ) A型のものはE型でない。


 (い) D型であってE型のものがいる。


 (う) E型のものはすべてC型である。


 (え) A型であってC型のものがいる。


【解答】


命題「A型である」、「B型である」、「C型である」、「D型である」、「E型である」の真理集合をそれぞれABCDEで表す。


 (1)より、A∩B=∅である。


 (2)の対偶は「B型のものはC型である」だから、B⊂C


 (3)より、C∩D=∅。


 (4)より、E⊂B


また、


 (あ)はA∩E=∅。


 (い)はD∩E≠∅


 (う)はE⊂C


 (え)はA∩C≠∅


である。


 


(1)と(3)より、A∩B=∅かつE⊂BからA∩E=∅となるので、(あ)は正しい。


(2)と(4)から、B⊂CかつE⊂BからE⊂B⊂Cとなるので、(う)は正しい。


(2)と(4)よりE⊂C、(3)よりC∩D=∅であるから、E∩D=∅となり、(い)は偽である。


(え)については、(1)のA∩B=∅と(2)のB⊂CからA∩C=∅の真偽は不明。


 


したがって、(あ)と(う)。


(解答終)