論理の問題


 


問題1 次の命題の真偽判断し、その理由を述べよ。


(1) a,b,cが実数で、ac<0ならば、2次方程式ax²+bx+c=0は異なる2つの解をもつ。


(2) nが自然数ならば、n²-n+17は素数である。


【解】


(1) 真。


2次方程式ax²+bx+c=0 a≠0) の判別式をDとすると、


 


したがって、ac>0ならば、bは実数だからb²≧0なので、


 


よって、相異なる2実根をもつ。


 


(2) 偽。


n=17とすると、


 


したがって、n=17のとき、n²−n+17は素数ではない。


(解答終)


 


問題2 命題p,qについて、次のことを証明せよ。


 


【解】


 


ここで、Iは恒真命題。


(解答終)


 


問題3 次の命題が恒真(命題)であることを示せ。



【解答例】


(1)


  


 


(2)


  


ここで、Iは恒真命題。


(解答終)


 


上の計算では、


 


を利用していることに注意。


【証明】


 


(証明終)


 


 


問題4 abを命題とするとき、次の等式が成り立つことを示せ。



【解】


(1) 


 


 


(2) 対偶と(1)の結果を使って


 


などと証明できそうですが、ここは愚直に


 


(解答終)


 


真偽表を使うと、上の問題は次のように証明することができる。


 


【別解】



(別解終)


 


 


問題5 abを命題とするとき、次の等式を証明せよ。


 


【解答】


 


(解答終)


 


真偽表による別解は次のとおり。


 


【別解】



よって、等式が成立。


 (別解終)


 


 


問題6 次の問に答えよ。


(1) 実数のある集合Sについて、命題{Sに属するすべてのxmより小さい」を否定する命題をかけ。


(2) 命題:x≧1y≧1ならばx+y≧2の逆、対偶、裏を述べ、その真偽を書け。


【解】


(1) 「すべてのxp(x)である」の否定は「あるxである」。


よって、


Sに属するあるxmより小さくない」


 


(2) p⇒qの逆はq⇒p、対偶は、裏はである。


 p:x≧1かつy≧1


 q:x+y≦2


とすると、その否定は


 


したがって、


逆:x+y≧2ならばx≧1y≧1 。 偽(反例:x=3y=−1のとき、x+y≧2


対偶:x+y<2ならば、x<1またはy<1。 真(p⇒qとその対偶の真偽は一致する)


裏:x<1またはy<1ならばx+y<2。 偽(これは逆の対偶なので、逆が偽だからこれも偽)


(解答終)


 


 


問題7 次の問に答えよ。


(1) 「3の倍数ならば、xは3の倍数である」という命題の対偶を述べ、次に初めの命題を証明せよ。


(2) 「xyが実数で、x+y>2ならば、x,yのうちすくなくとも1つは1より大きい」ことを証明せよ。


【解】


(1) 対偶:xが3の倍数でなければ、は3の倍数でない。


xは3の倍数でないので、


 


となる整数nが存在する。


 


よって、は3の倍数でない。


したがって、


対偶:xが3の倍数ならばは3の倍数は、真。


よって、命題「が3の倍数ならば、xは3の倍数である」は真。


 


ただし、xを実数とすると、x=√3のときx²=3で3の倍数であるが、x=√3は3の倍数ではないので、この命題が偽である。


 


(2) 対偶:「x,yが実数で、x≦1かつy≦1ならばx+y≦2である」


x≦1かつy≦1とすると、


 


対偶が真なので、命題「x,yが実数で、x+y>2ならば、xyのうち少なくとも1つは1より大きい」は真である。


(解答終)


 


 


発展問題



【解答】


(1)


 


(2)


 


(解答終)